ドイツのシュレーダー首相が訪中し、鉄道、金融分野などを中心に数十億ドルの対中投資の合意を結びました。この背景には、イラク戦争開始にあたって中国、ドイツ両政府がとった態度に現われたように、「双方は重要な国際問題の見方はほとんど同じ」(独シュレーダー首相)という立場があります。
首脳同士が相互に訪問できる関係があると、こういうふうに経済交流もすすむという証明でしょう。日中関係は、靖国問題だけでなく、日本政府のアメリカ追随の立場でも違いを見せています。「政冷経熱」と言われていますが、「政冷」のままでは、経済への影響もまぬかれません。さて、日本政府と日本経済界はどうするつもりでしょうか?
ドイツ、中国に数十億ドル投資へ・独首相が調印(NIKKEI NET)
ドイツ、中国に数十億ドル投資へ・独首相が調印
【北京=桃井裕理】中国とドイツは7日、鉄道、金融分野などドイツの対中投資を中心とした22項目で合意、訪中しているシュレーダー独首相が合意文書に調印した。中国の英字紙「チャイナデイリー」によると、今回合意したプロジェクトによるドイツの対中投資総額は数十億ドル規模にのぼる。
合意によれば、独フォルクスワーゲンが大連市で第一汽車と合弁会社を設立し、エンジン工場を建設する。また、中国航空機材輸出入集団がエアバスA320を23機を購入する。
鉄道分野での協力の具体的な内容は明らかにされていないが、ドイツは中国が計画する北京市―上海市間や上海市―浙江省杭州市間の高速鉄道計画に独シーメンス社のリニアモーターカー採用を求めていた。
シュレーダー首相の訪中は1998年の就任以来6回目。東北地方の長春市に移動、東北3省とドイツ間の投資フォーラムなどに出席した後、来日する予定だ。 (NIKKEI NET 2004/12/07 20:00)