総務省が2010年代前半に、すべての固定電話をIP電話化する方針へ。
全固定電話をIP化して、災害・大規模停電のとき大丈夫なんでしょうか? 携帯が災害に弱いことは中越地震で実証されました。いまの固定電話は、災害時、輻輳して通じにくくなることはありますが、停電しただけでは、電話が不通になることはありません。
全固定電話IP化 総務省方針/2010年代前半に完全移行
総務省は7日、国内の固定電話通信網を全面的に、インターネット技術を活用したIP(インターネット・プロトコル)通信網に移行させる方針を固めた。通信事業者や有識者で構成する研究会で9日から本格的な議論を始めて、方法やスケジュールなどを検討、来年夏に報告書をまとめる。2010年代前半で完全に移行することを目指す。
IP網は、音声やデータ、画像をデジタル情報に変換して伝送する通信網で、固定電話網に比べて多様な通信サービスを提供することができる。
KDDIが2007年末までの全面IP化を、NTTも2010年までに固定電話の加入者の半数にあたる3000万回線をIP化する方針を発表している。
今後もIP化を打ち出す事業者が相次ぐことが予想されるため、総務省は、各事業者のIP電話サービスを相互接続させるための技術開発を急ぐ。固定電話網を前提にした現在の通信政策も見直していく方針だ。
現在のIP電話の大半は、通信規格などの違いから、NTT東西地域会社の固定電話網を通して相互に接続されているため、IP電話本来の価格の安さなどが実現していない。
IP電話がNTTの固定電話網を介さずに直接接続できるような通信方式の標準化を図る。
このほか、NTT東西地域会社が固定電話網を維持することに伴って生じた赤字額を補てんする「ユニバーサルサービス基金」制度の見直しなども進める。[ 2004/12/8 読売新聞 ]