「東京新聞」の12/12(日)付の「生活図鑑」欄が、「格差開く若年世代」と題して、フリーターと正社員の賃金の格差などをまとめています。
正社員 | フリーター | 格差 | |
---|---|---|---|
年収 | 387万4000円 | 105万8000円 | 約3.6倍 |
生涯賃金 | 2億1500万円 | 5200万円 | 約4倍 |
年間消費額 | 282万9000円 | 103万9000円 | 約2.7倍 |
年金 | 17万5000円 | 6万6000円 | 約2.7倍 |
年収で約3.6倍、生涯賃金で約4倍、年金で約2.7倍の格差になりますが、大事なことは、それだけでなく、年間消費額も約2.7倍の開きがあるということ。いま企業は、正社員を減らし、パート・アルバイト・派遣など非正規社員を増やしています。そうすると、企業は人件費が節約できて儲かるかも知れませんが、その分家計の消費額も減ってゆき、結局、商品は売れなくなる…ということです。
他方、「フリーターの評価別企業数割合」というデータも掲載されていますが、それをみると
プラスに評価する | 3.6% |
マイナスに評価する | 30.3% |
評価にほとんど影響しない | 61.9% |
無回答 | 4.2% |
ということで、「フリーターだからといってマイナス評価はしない」という企業が6割以上を占めているのは意外ですが、企業が労働力全体を正規雇用から非正規雇用にシフトさせている現状から考えれば、当然かも。にもかかわらず、「マイナスに評価する」という理由をみると、
根気がなくいつ辞めるかわからない | 70.7% |
責任感がない | 51.1% |
職業に対する意識などの教育が必要 | 42.6% |
年齢相応の技能、知識がない | 38.1% |
組織になじみにくい | 36.3% |
など、随分勝手な理由が並んでいます。新卒採用を極端に減らして、アルバイト・派遣などでしか就職できないような環境をつくっておいて、フリーターだと「根気がない」「責任感がない」などというのは、企業の一方的な“都合”にすぎません。