政府が、皇位継承を女性にも広げるなど、懇談会を開き議論する方針を固めたそうです。
女性が天皇になってもいいのでは?と考えるのは簡単だけれども、男系女子に限るのか、女系女子も認めるのか、男子がいないときにのみ女子の皇位継承を認めるのか、性別に関係なく長子からにするのか、傍系男子と直系女子とどちらを優先するのか、結婚した女性はどうするのか、など議論が始まれば論点は意外に広い。また、皇族が増えたり新宮家を立てたりすることになれば、財政問題も議論になるでしょう。
それより、本気で制度変更をやろうというのか、それとも小泉首相一流の“人気取り”か、はたまた、棚上げされた自民党の憲法改正大綱素案よろしく憲法「改正」論議への“呼び水”にするつもりなのか。そっちの方が気になります。
女性皇位継承で懇談会設置へ
皇位継承について、憲法第2条では「世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」と定めています。そして、皇室典範の第1条に「皇位は皇統に属する男系の男子が継承する」という規定があることから、皇位継承は、皇族の男性に限って認められています。こうした中、与野党内からは天皇制を存続させるためにも、女性天皇を容認する意見が出ており、小泉総理大臣も、先に「かつては日本に女性天皇も存在していた。今の時代に、仮に女性天皇があらわれても国民は歓迎するのではないか」と述べています。
政府は、こうした状況をふまえ、皇位継承を女性にも認めるための皇室典範の見直しなどを話し合う、有識者による懇談会を設置することを固めたもので、27日にも細田官房長官が発表することにしています。懇談会は、学者や法律の専門家らがメンバーになる見通しで、年明けに初会合を開き、1年程度かけて、▽皇位継承の対象を女性の皇族にも広げることや、▽その場合の皇位の継承順位の決め方、▽女性の皇族が結婚後も皇室に残り、宮家を設立できるようにすることなどについて議論する見通しです。 [NHK 12/27 05:17]