2月24日夕方に打ち上げが予定されている気象衛星「ひまわり」の後継機ですが、打ち上げに失敗した場合の保険をかけてないそうです。H2Aが前回打ち上げ失敗しているだけに、保険料が高くなったため、だそうですが、はたして大丈夫でしょうか…。
ミサイル防衛だの、軍事偵察衛星だの言う前に、まずは防災に待ったなしの「ひまわり」をぜひ打ち上げ成功させてくださいね。
失敗したら163億円が水の泡――ひまわり後継衛星 また『保険』なし
気象衛星ひまわり5号の後継機で来月打ち上げ予定の運輸多目的衛星新1号に、打ち上げ失敗に備えた損害保険が掛けられていないことが分かった。同衛星の旧1号も保険に入っていなかったため、打ち上げ失敗で約100億円の製造費が全額損失となって論議を呼んだ。もし今回も失敗すれば、再び100億円を超す国費が泡と消えることになり、論議が再燃しそうだ。
旧1号は1999年11月、打ち上げに使った国産のH2ロケットのエンジンが突然停止。ロケットは予定の飛行経路を外れ、打ち上げから7分余り後に地上からの指令で衛星もろとも爆破された。衛星は保険に未加入で、ロケットや管制業務など打ち上げ費用も合わせると、損失額は約343億円に上った。
このため、運輸省(当時)と気象庁は代替機に新たな巨費を投じる羽目になり、約163億円で米メーカーに新1号を発注。部品の不具合による製造遅れやメーカーの経営破たんで一時は完成も危ぶまれたが、昨年ようやく種子島宇宙センターに納入された。
関係者によると、気象庁では保険契約も検討したが、打ち上げに使うH2Aロケットは情報収集衛星の打ち上げ失敗(2003年11月)後の再開第一号となるため、保険料が衛星価格の15%から30%に高騰。50億円近い出費は困難として契約が見送られたという。
情報収集衛星の打ち上げ失敗では、衛星2基の製造費や打ち上げ費用で計633億円の損失となった。事故時の原因調査費を賄う保険は掛けていたが、衛星やロケットは無保険で、文部科学省側は「保険料が高く、成功すると確実に損するので(保険契約は)できない」としていた。
運輸多目的衛星新1号を打ち上げるH2Aロケットは、情報収集衛星の打ち上げ失敗原因となった固体ロケットブースターの設計を改良。来月の打ち上げが成功するかどうか注目されている。■データ開示嫌う?
宇宙工学アナリストの中冨信夫さんの話 保険料の問題だけでなく、保険に入るには(保険会社の)審査があり、技術的なデータを開示しなければならない。失敗続きのH2、H2Aロケットの信頼性にかかわるデータを公開したくない事情も国にあったのでは。気象庁としては、外国のロケットでもいいから確実に打ち上げてほしい、というのが本音だろう。
■H2A7号機が宇宙センター着
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7日朝、2月に打ち上げ予定のH2A7号機のロケット部分を鹿児島県南種子町にある種子島宇宙センターに搬入した。
搬入されたのは全長約約37メートルの第1段ロケットと、約9メートルの第2段ロケット。気象衛星などの役割を果たす運輸多目的衛星(MTSAT?1R)を打ち上げる。
種子島西部の島間港に6日陸揚げされたロケットは、交通渋滞の防止や安全確保のため7日未明に同港を出発。巨大コンテナに収納されたロケットを、トレーラーが約18キロ離れた種子島宇宙センターまで人の歩く速度でけん引した。
2月の打ち上げは、2003年11月の6号機以来。◇メモ 運輸多目的衛星
航空管制機能も併せ持つ次世代の気象衛星。旧1号と新1号は米スペースシステムズ・ロラール社、2号は三菱電機がいずれも国際競争入札で受注。老朽化したひまわり5号の後継機だが、相次ぐトラブルで登場が大幅に遅れ、気象衛星の綱渡り状態が続いている。製造中の2号も新年度中にH2Aロケットで打ち上げ、2基体制を目指す。[2005年1月7日 東京新聞]
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トラックバックのお返事ありがとうございます。
ブログなるものを始めてすぐにコメントを頂けるとは思ってもみませんでした。
まだブログの事がよく判ってないので失礼があるかもしれませんがご容赦下さい。
(おそらくデザインがグチャグチャの時にご覧になったと思います。面目ない…)
ロケット、上がって欲しいです。
某住友等がロシアに打ち上げを依頼してるみたいで、
なんだか日本のロケット産業が危ういです。
自国の大切なコトを自国で出来なくなったら…
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一番丁寧に解説されていたようでしたのでTB致しました。あまりロケットのことは詳しくはないのですが、その例のラジオ番組はよく聞いていたものでw 森田さんは確かにたまにはいいこといいます。でもこれ言う前にしきりに「言っていいのかな?これ…」とお悩みのようでした(笑)
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