スマトラ島沖地震の影響について、2つのニュース。
1つは、地震の影響で地球の自転が速くなったという話。プレート境界部の破壊で、インド・プレートの側が沈み込み、大量の質量が地球の中心部に向かって移動したため、スケートの回転技で両腕を縮めると回転速度が上がるように、地球の自転も速くなったそうです。
地球の自転わずかに速まる スマトラ沖地震で(共同通信)
ただし、100万分の2.6秒ほど速くなったといっても、あくまで理論上のことですが。
地球の自転わずかに速まる スマトラ沖地震で
【ワシントン10日共同】米航空宇宙局(NASA)は10日、昨年12月26日のスマトラ沖地震の影響で地球の自転速度がわずかに速まり、計算の結果、1日の長さが100万分の2.68秒短くなったとの解析結果を発表した。
地球の中心部に向け大量の物質の移動が起きたのが原因とみられ、NASAの研究者は「アイススケートの選手が両腕を体に引きつけてスピンをすると回転が速まるのと同じ原理だ」と説明している。
変化は小さ過ぎて検出できておらず、標準時への影響も「無視できる」という。研究者は衛星利用測位システム(GPS)などのデータを詳細に分析し、検出を試みるとしている。[共同通信 1月11日10時31分更新]
もう1つは、スマトラ島沖地震の影響で、地球が2週間以上たったいまも、まだ振動しているという話。
地球 今も震え――発生直後から 「さらに数週間」
スマトラ島沖地震で地球全体に広がった揺れが、発生から約2週間経過しても続き、地球は今もわずかながら震えていることが、オーストラリア国立大の11日までの観測で分かった。
同大は、キャンベラ郊外のストロムロ山に設置した重力観測装置で震動観測を続けている。地震発生直後は約20センチあった揺れが、今では約1ミリになったものの、依然として続いているという。
同大の研究者は「さらに数週間続く可能性がある」としている。
深尾良夫・東大名誉教授は「地震の震動にはすぐ減衰するものと残るものがある。お寺の鐘をついた時、低い音はゴーンと長く残るように、地震も周期の長いゆっくりした波はなかなか減らない。普通の地震でもこういう揺れは起きるが、長く続くのは今回の地震が特別大きかった証拠になる」と話している。[日経新聞 2005/01/12]