南京虐殺事件の生き残りである李秀英さん(昨年12月没)が、出版社・展転社と著者・松村俊夫氏を名誉棄損で訴えた裁判で、最高裁が原告勝訴の二審判決を支持。原告勝訴が確定しました。
日本ではまだニュースが流れていないようなのですが、中国・人民網(日本語版)サイトにニュースが上がっています。
故・李秀英さん墓前で勝訴報告 南京で遺族ら
南京大虐殺の生存者だった故・李秀英さんが、日本の出版社・展転社、作家・松村俊夫氏を名誉毀損として訴えていた裁判で、日本の最高裁判所は20日、原告勝訴の二審判決を支持する判決を下した。これにより、5年にわたる訴訟の末、原告の勝訴が確定したことになる。
22日午前、李秀英さんの眠る南京市の墓地・雨花功徳園に、日本最高裁の判決書を手にした李さんの子らが訪れ、「お母さん、最終的な勝利の日がついにやってきました。あの世でほっとできましたね」と勝訴を報告した。
李さんの末娘、陸琪さんは「残念です。母はこの日を待てませんでした。しかも、被告は終始、母に謝罪しませんでした」と語る。李さんは生前、裁判の行方を気にかけ、判決を待ちわびながら、1カ月余り前に86歳で亡くなったばかりだった。
李さんは南京大虐殺の直接の被害者として、自身の体験を根拠に旧日本軍の残虐行為を勇敢に暴き、「南京大虐殺の生き証人」と呼ばれた。(編集UM) 「人民網日本語版」2005年1月23日
追記:
24日付で、共同通信が配信しました。
李秀英さんの勝訴が確定 南京大虐殺に絡む名誉棄損(共同通信)
李秀英さんの勝訴が確定 南京大虐殺に絡む名誉棄損
中国・南京市の故李秀英さんが、南京大虐殺の関連本で名誉を傷つけられたとして、著者の松村俊夫さん側に損害賠償などを求めた訴訟で、最高裁第一小法廷(島田仁郎裁判長)は24日までに、松村さん側の上告を退ける決定をした。
名誉棄損の成立を認めて150万円の支払いを命じた李さん勝訴の1、2審判決が確定した。決定は20日付。
1、2審判決によると、松村さんは1998年に展転社(東京)から出版した「『南京虐殺』への大疑問」で、日本で国家賠償請求訴訟を起こした李さんが南京大虐殺の被害者であることに疑問を投げ掛けた。
李さんは昨年12月に86歳で死亡した。(了)[共同通信 2005年1月24日19時05分]