一太郎に製造販売の中止命令

JUSTSYSTEMの一太郎・花子に製造販売の中止命令が出されました。松下電器産業が特許侵害で訴えていた裁判で、東京地裁が、特許権の侵害を認め、両ソフトの製造・販売の中止、在庫の処分を命ずる判決。

ただし、判決には仮執行は命じられておらず、JUSTSYSTEM側は控訴し、今月10日発売予定の一太郎2005はそのまま発売される。

<特許訴訟>一太郎・花子の製造販売中止命令 松下電器勝訴(毎日新聞)

<特許訴訟>一太郎・花子の製造販売中止命令 松下電器勝訴

 パソコン機能の特許権を巡り、松下電器産業(大阪府門真市)がパソコン用ソフト会社「ジャストシステム」(徳島市)を相手取り、同社のワープロソフト「一太郎」とグラフィックソフト「花子」の製造・販売差し止めなどを求めた訴訟の判決が1日、東京地裁であった。高部真規子裁判長は特許権の侵害を認め、両ソフトの製造・販売の中止と在庫の廃棄を命じた。パソコン機能を巡る訴訟で、実質的にパソコンソフトの製造差し止めが認められるのは極めて異例。ジャストシステムは控訴する方針だ。
 判決は仮執行を命じておらず、控訴して訴訟を続ければ、直ちに製造・販売中止とはならない。
 判決によると、争いになったのは、「一太郎」などをインストールしたパソコンに表示され、ワープロの操作方法などを説明する「ヘルプモード」の機能。画面上の「ヘルプモード」を示すアイコン(絵文字)に続いて、実行したい機能のアイコンをクリックすると、機能の内容が説明文で表示され、マニュアルを参照する必要がなくなる。
 松下電器はこうした機能を含んだワープロを89年に特許出願し、98年に登録された。ジャストシステムは「同じ機能はマイクロソフト社のOS(基本ソフト)にもあり、原告の特許には当たらない」などと主張していた。
 判決は、この機能について「アイコンを使うことで、キーボードに制約されず多様な機能を自由に担わせることができる」と特許を認めた。そのうえで、松下電器が仮処分を申請した02年11月以降は、ジャストシステム側は特許と知りつつ製造を続けた特許権の侵害があると判断した。
 ジャストシステムによると、「一太郎」は同社が開発した日本語変換システム「ATOK」を搭載した人気ソフトで、85年8月の発売以来、官公庁向けなどに約1800万本が出荷された。昨年度の売り上げは約48億円で、同社の売り上げの約4割を占める。今月10日に15代目の改訂版が発売される予定という。【坂本高志】
[毎日新聞 2月1日20時27分更新]

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