NHK橋本新会長が記者会見で、特番「政治介入」問題で、事前説明は「通常の業務範囲内」とした前月の説明を撤回し、事前の説明は好ましくないとの立場を表明。問題の特番についても、複数の国会議員に「事前説明」したのは「レアケース」としました。
国会議員に事前に番組内容を説明するのは「通常業務」という異常な立場は、事実上撤回されたわけですが、それならば、なぜあの番組について、そのような異常な事態に立ち至ったのか、あらためて解明が必要です。
NHK会長:国会議員への事前番組説明「好ましくない」(毎日新聞)
それにしても、NHK自身は、この会長の記者会見を報道したのかな? NHKが朝日新聞に抗議したとか、安倍・中川両氏が朝日新聞に抗議したということは、逐一報道しているのにねえ。これこそ、不祥事問題で海老沢前会長の国会審議を放送しなかったという、今回の事件の最大の反省点だったはずなんですが…。
NHK会長:国会議員への事前番組説明「好ましくない」
NHKの橋本元一会長は3日、国会議員に事前に番組内容を説明することについて「一般論として、個々の番組内容を事前に細かく説明するのは好ましくない」との認識を示した。同日開かれた就任後初の定例会見で明らかにした。
また従軍慰安婦を扱った番組問題で、関根昭義前放送総局長が先月の会見で「(事前説明は)通常業務の範囲内」と述べたことについて、諸星衛理事は「次年度の予算説明の中で、新しい番組を説明することはあるという意味での発言で、舌足らずだった」と釈明し「通常業務の範囲内」という認識を事実上、撤回した。さらに「個別の番組で説明したケースはほかに承知していない。あの番組のように複数の議員に説明したのはレアケース」と語った。【NHK問題取材班】毎日新聞 2005年2月3日 20時13分
NHK会長「事前説明は好ましくない」 顧問廃止も明言(朝日新聞)
NHK会長「事前説明は好ましくない」 顧問廃止も明言
NHKの橋本元一会長は3日、就任後初めての定例会見で、特定の番組について政治家へ事前に説明することについて、「一般論として好ましくない」と述べ、海老沢勝二前会長時代、当時の放送総局長が政治家への事前説明は「当然」などとしていたこれまでの見解について否定的な考えを示した。また、受信料拒否・保留件数が1月末現在で39万7000件にのぼっていると発表、顧問制度の廃止についても明言した。
橋本会長は、NHKの番組改変問題について問われ、一般論と断った上で、「個々の番組について事前に説明することが当然とは思っていない」「好ましくないと思っている」などと語った。
1月19日の記者会見では、関根昭義・前放送総局長が、番組内容を政治家に事前説明することについて「当然」と発言。番組改変についての内部告発を受けたコンプライアンス(法令順守)推進室も調査結果の中で、番組の事前説明について「業務遂行の範囲内」と述べていた。
橋本会長は、番組の事前説明について、放送法上、NHK予算は国会の承認を得なくてはならず、「次年度の予算に絡む番組について説明することはありうる」と語った。
改変された今回の番組は翌日放送される予定になっており、次年度のNHK予算とは無関係だった。同席した諸星衛理事(報道担当)は「レアケースだった」として、極めて例外的な対応だったとした。橋本会長は「あの件については話題性が高く、個別に説明して理解をいただくのは当然という気持ちがあったのかなと推測している」と語った。
橋本会長は、NHK会長職について「中立的な立場を期待されている」との認識を示し、今後も特定の番組について事前に説明するかについては、「これから起こりえるか分からないことを一般論としてお答えできない」とした。
また、受信料の支払い拒否・保留件数は1月末で39万7000件と、昨年11月末の3倍以上に達することが明らかになった。昨年12月と1月の2カ月だけで約28万4000件増えた。NHKはこれまで、3月末時点での見込み件数を45万?50万件と発表していた。
橋本会長は顧問制度について、「定款を変える手続きが必要だが、できるだけ早く実施したい」と述べ、制度を廃止する考えを明言した。
さらに、海老沢前会長が選任した8人の理事については「どういう体制にするかは白紙」と述べた。(asahi.com 02/03 22:11)