今日は、いろいろと本を買い込んでしまいました。
- 鹿野政直『兵士であること 動員と従軍の精神史』(朝日選書、2005年1月刊、定価1300円+税)
- 大澤真幸『現実の向こう』(春秋社、2005年2月刊、定価1800円+税)
- 戸田山和久『科学哲学の冒険――サイエンスの目的と方法を探る』(NHKブックス、2005年1月刊、定価1120円+税)
- ジョン・ベラミー・フォスター『マルクスのエコロジー』(こぶし書房、2004年4月刊、定価5600円+税)
- 『思想』〈知覚の謎〉2005年2月号(定価1200円)
- 『現代思想 特集・脳科学の最前線』2005年2月号(定価1300円)
もともとは、フォスターの『マルクスのエコロジー』を買おうと思って書店に立ち寄ったのですが、あれよあれよという間に、1万円近い買い物になってしまいました。
フォスターの『マルクスのエコロジー』は、「緑」の立場からするマルクス批判、あるいは唯物論批判にたいする回答ということなのですが、興味深いのは、著者自身が、ルカーチ、グラムシなどの伝統を弾く「実践的唯物論」の史的唯物論中心主義の誤りに気づくことを通して、自然と人間の弁証法的な関係を、唯物論に基礎づけられながら解き明かしたところにマルクスの優位性を見ていること。人間中心主義vs.生態系中心主義という対立を不毛な対立として退けている点など、分かっていれば当たり前のことなのですが、それを新しく発見した著者の叙述が生きいきとしていて面白いですね。
鹿野氏の本は、タイトルもさりながら、カバーや本文中に紹介された浜田知明の絵に惹かれて買いました。戸田山和久氏は、前に、『論文の教室』(NHKブックス、2002年)を読んで、興味を持っていた著者。目次をぱらぱらと見ると、“「電子は実在する」って言うのがこんなにも難しいとは”、“それでも科学は実在をとらえている”というタイトルが目に入ったので、とりあえず買ってみました。
『思想』と『現代思想』は、奇しくも、知覚・脳科学の特集。このあたりの最新の自然科学の知見を哲学はとりいれる必要があるのですが、人文系の素人談義では埒があかないので、少し勉強するつもりで買ってきました。
ということで、負債は溜まるばかりです。あ〜、どうしよう…。