イラク国民議会選挙の開票結果が発表されました。イスラム教シーア派の「統一イラク同盟」が得票率48%で130余の議席を獲得。クルド人の「クルディスタン同盟」が26%、アラウィ暫定政府首相らの世俗シーア派の「イラクのリスト」は14%。スンニ派のヤワル大統領がひきいる「イラク人」は得票率2%に留まる。
で、投票率は、57.67%だったそうな。選挙直後に72%などという数字が飛び交ったけれども、60%に届かなかったということです。また、ファルージャを含むアンバル県の投票率はわずか2%。このへんが今後問題になりそうです。
シーア派連合が最多議席=投票率58%、国民議会選結果?クルド人2位・イラク(時事通信)
イラク議会選:シーア派会派 単独過半数超え確実に(毎日新聞)
シーア派連合が最多議席=投票率58%、国民議会選結果?クルド人2位・イラク
【リヤド13日時事】1月30日に投票が行われたイラク国民議会(定数275)選挙で、独立選挙管理委員会は13日午後(日本時間同日夜)、最終開票結果を発表した。それによれば、イスラム教シーア派の政党連合「統一イラク同盟」が48%を得票し、130余の最多議席獲得を確実にした。国民議会と近く発足する移行政権は、いずれもシーア派主導となる。投票率は57.67%だった。
北部に地方政府を有するクルド人の「クルディスタン同盟リスト」が26%の票を集め、2番手につけたほか、アラウィ暫定政府首相ら世俗色の強いシーア派候補を中心とした「イラクのリスト」は得票率14%で第3勢力となった。スンニ派のヤワル大統領が率いる「イラク人」は得票率2%に達しないなど、スンニ派の低調ぶりが改めて浮き彫りになった。
全体の投票率は一定の水準を維持したが、スンニ派が多数を占める中部諸州では、選挙ボイコットや治安悪化の影響から投票率が軒並み30%を下回った。開票結果は3日間の不服申立期間を経て、確定する。[時事通信 2月14日1時1分更新]
イラク議会選:シーア派会派 単独過半数超え確実に
【カイロ小倉孝保】イラク独立選挙委員会は13日、先月30日投票の移行国民議会選挙(比例代表制、定数275)の開票結果を発表した。イスラム教シーア派の連合会派「統一イラク同盟」が48%の票を集めて第1党になり、予想獲得議席数は140で単独過半数に達することが確実になった。クルド系政党の統一会派「クルディスタン・リスト」が26%で第2党に躍進した。結果を受けて発足する移行政府は、統一イラク同盟が主体となり、独立以来初めてイラクに宗教色の強いシーア派政府が誕生することになった。登録有権者数を母数とする投票率は58.3%だった。
アラウィ暫定首相の率いる世俗派会派「イラク人のリスト」は得票率14%で第3党にとどまった。開票結果は、3日間の異議申し立て期間を経て確定する。移行国民議会は、8月15日までに憲法草案を起草することが最大の役割になる。
独立選挙委の発表によると、各党派の得票数は、統一イラク同盟407万5295票(48.2%)▽クルディスタン・リスト217万5551票(25.7%)▽イラク人のリスト116万8943票(13.8%)?と続き、上位3会派で87.7%を占めた。ヤワル大統領が率いる政党「イラク人}や共産党系会派などは1.2%の得票率だった。
有効投票数は845万6266票。全体の投票率は暫定政府が正当性のめどとした50%を上回ったものの、スンニ派主要政党がボイコットする中、ファルージャを含むアンバル県では2%、ティクリートのあるサラハディン県では29%と、スンニ派地域では極端に低かった。今後、正当性をめぐる論議がくすぶる可能性もある。
移行政府樹立に向け、首相などのポスト配分をめぐる各党派間の駆け引きはすでに活発化。現地ジャーナリストらによると、統一イラク同盟とクルディスタン・リストとの連立協議が進んでいる。「イラク人のリスト」などを加えた大連立政府のできる可能性もあるという。移行政府は、国民和解に向け、選挙で取り残されたスンニ派の政治参加をいかに確保するかが大きな課題になる。
移行国民議会は3分の2以上の賛成で、大統領評議会(大統領と二人の副大統領)を選出。同評議会が実権を持つ首相を指名する。首相は統一イラク同盟が握ると見られるが、人選は固まっていない模様だ。
獲得票数が基準に達しない場合、議席が配分されない。AP通信とAFP通信によると、統一イラク同盟は140議席を獲得する見通し。クルディスタン・リストは75議席、「イラク人のリスト」が40議席、イラク人は5議席。獲得議席数は公表されていないが、なお流動的な要素がある。[毎日新聞 2005年2月14日 11時28分]