日米安全保障協議委員会(2+2)は、「SACO最終報告の着実な実施の重要性」を強調。2+2以前には、普天間基地の辺野古沖移設を見直すみたいな話があっちこっちで取沙汰されましたが、結局、移設強硬の方針は変わらず、ということです。
「辺野古移設」を堅持 米軍再編で共同声明
【ワシントン19日普久原均】日米両政府は19日午前(日本時間20日未明)、ワシントンで外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)を開いた。在日米軍再編協議については「沖縄をはじめとする地元負担の軽減」との表現を共同声明に盛り込み、日米間の公式文書としては初めて、米軍再編の中で沖縄の負担軽減に取り組む意思を示した。一方で「SACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)最終報告の着実な実施の重要性」も強調、米軍普天間飛行場を辺野古沖に移設する姿勢も堅持した。
今回の協議は、米軍再編協議を進める上での前提となる日米共通の戦略目標を確認するのが最大の狙い。日本側は従来「抑止力の維持」と「地元の負担軽減」を再編協議の基本原則としていたが、共同声明に文書化することで日米共通の意思としても明確になった。
米軍再編についてはまた、審議官級協議などの「協議を強化する」と明記。今後、沖縄の基地問題に関する分科会が設置され、部隊の県外移転などが集中的に議論される見通し。しかし、再編案が具体化するにつれ、沖縄の基地機能を受け入れる関係自治体などの反対が予想され、調整は難航が必至だ。
声明はさらに、「地域社会と米軍の良好な関係推進のための継続的努力」として日米地位協定の運用改善の重要性も強調。米軍ヘリ沖国大墜落の際に問題になった事故現場の管理や基地跡地の環境問題が念頭にあるが、従来通りの「運用改善」にとどまり、県が求める「改定」までには踏み込んでおらず、県内から不満の声も上がりそうだ。
一方、今後の日米の安全保障協力として「自衛隊と米軍の役割・任務・能力」の検討を継続することも確認した。自衛隊と米軍の基地の共同使用も視野に入れており、県内では嘉手納基地や下地島空港の共同使用が浮上する可能性もある。世界規模での米軍再編の中で、日米の軍事的一体化がより進むのは間違いなさそうだ。
協議には、日本側からは町村信孝外相と大野功統防衛庁長官、米側からはライス国務長官、ラムズフェルド国防長官が出席。会合後、そろって国務省で記者会見した。<共同声明>(沖縄関連骨子)
在日米軍の兵力構成見直しに関する協議を強化。抑止力の維持と沖縄を含む基地を抱える地元の負担軽減へのコミットメントを確認。
日米地位協定のさらなる運用改善など地域社会と米軍の良好な関係推進のための継続的努力の重要性、SACO最終報告の着実な実施の重要性を強調。<ニュース用語>日米安全保障協議委員会(2プラス2)
日米安保条約に基づく協議や日米協力に関する問題の検討を目的に設置した日米外務・防衛閣僚による協議機関。1980年代まで米側参加者は駐日米大使と太平洋軍司令官だったが、90年に国務長官、国防長官に格上げされた。沖縄の少女乱暴事件以降は計8回あり、SACO(沖縄に関する特別行動委)最終報告や新ガイドラインの公表を行うなど、米軍に関する日米協議の節目ごとに開かれている。[琉球新報 2月20日11時36分更新]