西武鉄道の小柳皓正・前社長が、19日、自殺。
日本では、これまで何度も、重要事件で、捜査中に中心を知る人物が自殺し、結果として真相が明らかにならないまま終わる、ということがありました。小柳前社長も、前日、7時間にわたる特捜部の参考人聴取を受けていたとか。参考人といいながら、7時間にわたる聴取を受けていました。
堤前会長の積極的な関与が明らかにされようとしていただけに、相当追いつめられていたんでしょうか。それにしても、コクド・西武鉄道関係者の自殺は、これで2人目です。
西武鉄道の小柳前社長が自殺
西武鉄道の小柳皓正・前社長(64)が19日午後零時50分ごろ、東京都町田市の自宅で死亡しているのを妻が発見した。警視庁町田署によると、家族あてに遺書が残されており、自殺とみられる。同社を巡っては有価証券報告書の虚偽記載問題で、東京地検特捜部や証券取引等監視委員会が証券取引法違反(虚偽記載、インサイダー取引)容疑で捜査・調査を進めており、特捜部は小柳前社長からも参考人聴取していた。
町田署によると、小柳前社長は自宅2階の寝室で首をつっており、妻が発見した時にはすでに死亡していたという。
特捜部は18日午後も約7時間にわたり、小柳前社長を参考人聴取していたという。笠間治雄・東京地検次席検事は「捜査の過程で亡くなられたことを大変残念に思う。心からごめい福をお祈りしたい」とコメントした。小柳前社長は運輸省(現国土交通省)出身。運輸政策局情報管理部長などを経て、1993年に西武鉄道に移り常務。専務を経て昨年4月、同社の総会屋に対する利益供与事件で引責辞任した戸田博之・同社元社長(69)の後任として社長に就任した。[NIKKEI NET 2005/02/19 20:40]
堤氏、西武鉄道株4千万株売却を指示 上場廃止回避狙う(朝日新聞)
堤氏、西武鉄道株4千万株売却を指示 上場廃止回避狙う
西武鉄道による大株主保有比率の虚偽記載問題で、コクドの堤義明前会長(70)が昨年8月下旬、コクドや関連企業・プリンスホテルなどの幹部らに、名義偽装が判明した西武鉄道株について「4千万株」という具体的な目標をあげて売却を指示していたことが関係者の話で分かった。4千万株を売却すれば、西武鉄道の上位10株主の保有比率が8割を下回り、東証の上場廃止基準を回避できたという。堤前会長が西武鉄道株の大量売却に積極的に関与していた疑いが強まった。
コクドは、堤前会長の指示を受けて大量売却を始めたが、顧問弁護士らの助言も受け、最終的には約7千万株を売却したとされる。東京地検特捜部と証券取引等監視委員会は証券取引法違反(虚偽記載、インサイダー取引)の疑いで一連の経緯の解明を進めている。
関係者によると、04年8月に開かれた西武鉄道の取締役会で、同社の監査役が名義偽装株の存在を指摘したことから、同社はコクドに対して事実確認を依頼した。この直後、堤前会長は、コクドやプリンスホテルなどグループ各社の幹部ら側近を集め、「4千万株の売却」を指示したという。堤前会長はすでに売却交渉を始めており、指示を受けた幹部らも急いで売却を始めたという。
西武鉄道の総発行株数は約4億3330万株(04年3月末現在)で、堤前会長が指示したこの4千万株は総発行株の9%余に当たる。当時は、筆頭株主のコクドの個人名義株を入れると上位10株主の保有比率は88・57%と上場廃止基準の80%を超えていた。堤前会長が4千万株を売却して80%を切るようにし、上場廃止を回避しようとしたとみられる。
この後さらに、コクドの顧問弁護士らと相談。「売却するなら、もっと売却した方がいいのではないか」とアドバイスを受けたことから、最終的には約7千万株を売却することになったという。
堤前会長は04年5月ごろ、名義偽装株を大量保有していた事実や問題性についてコクド役員から報告を受けていた。この段階では具体的な指示はしていなかったが、西武鉄道側からの調査依頼を受けて、具体的な売却を決めたとみられる。
堤前会長は名義偽装株の存在を明らかにした04年10月13日の会見で、株売却については「事務局の下の方から言われた」などと述べ、自ら主導したことを否定していた。[asahi.com 2005/02/19 03:14]
コクド次長が水死 株式事務担当、自殺か
西武鉄道の筆頭株主・コクドの総務部次長(54)=埼玉県入間市在住=が21日午前、山形県温海町の海岸で遺体で見つかっていたことがわかった。死因は水死だった。今月20日に家族から捜索願が出されており、山形県警は自殺の疑いがあるとみている。
次長はコクドで株式事務を担当しており、西武鉄道による大株主保有比率の虚偽記載問題に関連して証券取引等監視委員会から任意の事情聴取を受けていた。
[asahi.com 2004/11/27]