自民党新憲法起草委員会・小委員会の動きについて。改憲手続きの「緩和」で一致。憲法裁判所設置については異論あり、と。
自民小委:改憲手続き緩和で一致(毎日新聞)
自民小委:憲法裁判所設置は見送り(毎日新聞)
自民小委:改憲手続き緩和で一致
自民党新憲法起草委員会の中の「最高法規及び改正手続きに関する小委員会」(高村正彦委員長)が22日、党本部で開かれ、憲法改正手続きを緩和することで意見が一致した。国会が改正を発議する要件を現行の「衆参両院の総議員の3分の2以上の賛成」から、「衆参両院の総議員の過半数の賛成」に緩和する案を軸に調整を進める。
現憲法は改正手続きについて、(1)衆参両院の総議員の3分の2以上の賛成で国会が発議(2)国民投票で過半数の賛成??の2段階を定めている。しかし、「3分の2」条項に従えば、現在の自民、民主両党が一致しなければ発議すらできないため、「現憲法は事実上、改憲を不可能にしている」との不満が自民党内で高まっていた。
会合では「あまりにも改正のハードルが高すぎる」「毎年改憲している国もある」と、改憲手続きの緩和論が大勢を占めた。国会の発議に関しては「衆参の過半数の賛成」を支持する意見が多かったが、一部で「内閣にも改憲の発議権を与えるべきだ」との意見も出たため、さらに内容を詰めることにした。
国民投票要件については「国民の意思を問うために最も重要」との認識を共有したものの、具体的な議論は次回以降に持ち越した。【松尾良】
[毎日新聞 2005年2月22日 23時59分]
自民小委:憲法裁判所設置は見送り
自民党新憲法起草委員会の「司法に関する小委員会」(森山真弓委員長)は22日の会合で、最高裁判事の国民審査制度を規定した憲法79条2項を見直すことで一致した。会合では国民審査制度について「形がい化しており意味がない」などの廃止論が相次いだ。「実質的な審査を行うことのできる機関を設けるべきだ」として、現行制度に代わる審査方法の検討が進められる見通しだ。
憲法裁判所に関しては「政治判断に司法が消極的で違憲審査権が機能していない」などの理由から党内には設置に積極的な意見もあった。しかし、小委員会では「国権の最高機関である国会の法律を、民主的基盤のない司法で裁くのは問題がある」などの反対論が多く、見送る方向となった。【宮下正己】
[毎日新聞 2005年2月23日 0時01分]