今日の日経新聞夕刊の記事。こども未来財団の調査で、少子化が進む背景について、「子育てにはお金がかかる」と考えている人が7割にも達することが明らかになりました。
少子化が進む背景についての主な意見(複数回答、%)
子育て層 | 子供のいない未婚層 | 子供のいない既婚層 | |
---|---|---|---|
子育てにはお金がかかる | 70.7 | 69.7 | 73.3 |
仕事と子育ての両立支援環境が未整備 | 40.4 | 45.7 | 39.8 |
子供を持つと自由な時間がなくなる | 45.5 | 32.7 | 35.5 |
治安や社会保障の面で子供が将来生きていく環境に不安が大きい | 16.9 | 14.4 | 21.7 |
子供を持つことの意義や利点を感じられなくなっている | 11.9 | 14.9 | 11.7 |
ということで、圧倒的に「お金」の問題だとみんな考えているということ。子育てへの不安や悩みについての質問でも、子育て層の約4割、子供のいない層の6割以上が「経済的負担が重い」と回答したそうです。
「子育てはお金がかかる」・こども未来財団が少子化背景調査(NIKKEI NET)
「子育てはお金がかかる」・こども未来財団が少子化背景調査
子供を2人以上持つのが理想だが、多くの男女が「子育てはお金がかかる」「仕事と子育ての両立支援が未整備」などの理由で現実の出産に二の足を踏んでいることが26日、「こども未来財団」の調査で分かった。子育てへの不安から「現実には子供はいらない」と考える人も多く、理想と現実のギャップを背景に少子化が進んでいることが改めて浮き彫りになった。
同財団(東京・港)は厚生労働省の外郭団体。調査は昨年2?3月、全国の男女約6000人を対象に子育て層、子供のいない既婚層・未婚層などに分けて実施、うち約2900人から回答を得た。
理想として持ちたい子供の数を聞いたところ、すべての層で8?9割が「2?3人」と答えた。しかし、現実に持つつもりの子供の数を聞くと子育て層の8割が「1?2人」と回答。子供のいない層の3割近くは「現実として子供はいらない」と答えた。[NIKKE NET 2005/02/26 16:00]
新聞ではさらに、国立社会保障・人口問題研究所の人のコメントとして「経済基盤の弱い非正社員の若者が増えており、結婚にブレーキがかかっている。出産を機に退社を余儀なくされる女性もまだ多い」「共働きを後押しする仕事と育児の両立支援とともに、若年者の雇用対策も少子化対策には必要」(高橋重郷・人口動向研究部長)と指摘しています。
実際、出産から始まって、保育所の費用だってバカにならないし、憲法では無償だとされた義務教育だっていっぱいお金がかかるし、受験ともなれば塾や家庭教師の費用も必要。大学に進学すれば、国立大でも授業料だけで50万円以上、私立なら70?80万円は当たり前。気の遠くなる額です。
もし、出産は無料、保育料はごくわずか、義務教育は完全無償、大学学費も数千円とか数万円程度ということになったらどうでしょう? 絶対に出生率は向上するにちがいありません。コスト的にも、社会全体で考えたら、そういうために予算をかけても、出生率が向上し、働き手が増えて、絶対にペイすると思うんですけどねえ…。