在沖海兵隊、県外移転か?

キャンベル元国防次官補代理が、「沖縄タイムス」のインタビューで、沖縄の海兵隊は「数カ月内に劇的な変化の段階が来る」と指摘。

これって、県外移設の可能性を示唆……したのかな?

在沖海兵隊再編「数カ月内に劇的変化」 元国防総省次官補代理(沖縄タイムス)

在沖海兵隊再編「数カ月内に劇的変化」
元国防総省次官補代理/普天間移設の矛盾指摘

 米クリントン前政権下で、米軍普天間飛行場の移設・返還合意をまとめた元国防総省次官補代理のカート・キャンベル戦略国際問題研究所上級副所長は11日(現地時間)、沖縄タイムス社との単独インタビューに応じた。同氏は国防総省が進める在沖海兵隊の再配置計画は今後、数週間、日本側との集中的な協議を経て、「数カ月内に劇的な変化の段階が来る」とした。稲嶺恵一知事が県案で海兵隊の県外移転を求めながら、普天間飛行場の名護市辺野古沖移設を堅持していることについては「矛盾している」と指摘、沖縄側から、明確な意思表示をする重要性を強調した。

 キャンベル氏は、県が求める海兵隊の県外移転には、「短期間にそれを望むのは適当でない」と否定的な見解を示す一方、約1万6000人の半数以上の海兵隊兵力を移転させることは「十分可能だ」と主張した。実戦部隊の大半が県外移転する可能性に、言及したものとして注目される。
 海兵隊の県外移転を軸とする県案について、「(負担軽減への)知事の情熱は鮮明だが、具体的に何を求めているかが分からない。ある意味で、海兵隊の撤退と普天間飛行場の辺野古沖移設を支持することは矛盾している」と述べた。
 米軍再編が1996年の日米特別行動委員会(SACO)合意とは異なり「沖縄の負担軽減が優先事項ではあっても最優先の課題ではない」と県の意向が適切に伝わらない場合、負担軽減が進まない危険性も挙げた。
 今後の在沖米軍削減の見通しについては「ラムズフェルド国防長官は、歓迎されない場所に米軍を駐留させないと明言している。それが命題だ。2003年に沖縄を視察した際、県民がかなりの規模の削減を切望していることを実感しており、国防総省の責任者の共通理解になっている」と述べた。
 普天間飛行場の移設先として「日本本土、アジア諸国、米本国を含め、さまざまな選択肢が考えられる」と、県外移設を主張した。小泉純一郎首相が、辺野古沖移設見直しを指示したことには「大変興味深い」と、首相の政治的指導力に期待する考えを示した。

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「普天間」県外移設可能/米軍再編・キャンベル氏に聞く

知事あいまい、米軍優先の恐れ

 カート・キャンベル戦略国際問題研究所上級副所長は、沖縄タイムス社との単独インタビューで米軍再編協議の見通しや稲嶺恵一知事の訪米などについて語った。以下一問一答

 ――米軍再編への県案をどう見るか。

 「私は、稲嶺恵一知事の発言に注目してきた。優れた知事だと認識しているし、経済や基地問題で果たしてきたリーダーシップも評価する。だが、(負担軽減への)知事の情熱は鮮明だが、同時に(具体的に)何を求めているかが分からない。ある意味で、海兵隊の撤退と、普天間飛行場の辺野古沖移設を支持することは、矛盾している」
 「米軍再編は沖縄の負担軽減を最優先の目標にした日米特別行動委員会(SACO)合意とは異なる。県のメッセージがあいまいにとられると米軍の組織の都合が、優先される恐れが大きくなる」
 「(普天間移設問題は)日米当局者が、最大限の努力をして、精力的に解決策を探るべきだ。日米間協議はとてもデリケートな段階に入った。世界的な米軍の再編の中で協議されるべきだ」

 ――普天間移設問題の解決策は。

 「普天間の移設には、数多くのアイデアがある。しかしそれがいったん、表に出ると、必ず強い反対に遭う」

 ――日米特別行動委員会合意への過程で嘉手納基地への統合も検討されたと聞くが。

 「地元自治体とともに、空軍も反対した。一部からは固定翼機とヘリコプターが一緒に使用することへの懸念もあったが、現実に共存する飛行場はある。技術的問題ではなく、政治的な要素は無視できなかった」

 ――嘉手納基地や下地島空港など県内移転を進める動きもあるとされるが。

 「政治的問題を別にすれば、可能性としては検討可能だ。しかし、普天間は沖縄以外に移すことが可能だ。この考えは、受け入れられるべきだ」

 ――今後の在沖米軍の再編の見通しは。

 「ローレス国防副次官は国防総省内でも、また日本の当局者と非常によい仕事をしていると信じている。今後、数週間から数カ月以内にも在沖米軍について、劇的な変化が示される」
[沖縄タイムス 2005年3月13日(日) 朝刊 1・2面]

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