「公益の尊重」というと聞こえはいいけれど、ホンネは「国家のためにあなたは何ができますか?」ということ。言論の自由も思想信条の自由も、はたまた個人の財産権も、幸福追求権も基本的人権も、なんもかんもみんな「公益のため」と言えば、何でも制限できてしまう。国家主義者には、これほど便利な“打ち出の小槌”はありません。
こんなバカなことを許したら、国家のために働かない人間は生きていけない世の中になっちゃうよ。絶対ハンタ??イ!!!
自民の新憲法試案、「公益の尊重」を新設
自民党の新憲法起草委員会(委員長・森前首相)が4月に取りまとめる試案の中間報告の概要が12日、固まった。14日の小委員長会議で提示される。現憲法にない「公益」の尊重規定を新設するほか、集団的自衛権の行使容認を前提に、自衛軍の保持を明記する。前文では、日本の目指すべき国家像として、「地球環境の保全」などを打ち出す。
「公益」は、現憲法の「公共の福祉」に代わるものだ。「公共の福祉」が表現の自由とプライバシー権など、人権相互の矛盾・衝突を調整する原理としてのみとらえられているのに対し、「公益」の尊重は、「国のために個人は何が出来るか」を国民に自覚してもらうための表現として打ち出す。「公共の価値」との表現もあわせて検討する。
9条については、平和主義を定めた1項はほぼそのまま残し、戦力の不保持を規定する2項を改め、自衛権と自衛のための戦力保持を認める。その上で、3項を新設し、国際協力活動への積極参加を新たに打ち出す。集団的自衛権などの解釈の詳細は憲法には規定せず、「安全保障基本法」と「国際協力基本法」の制定を目指す。
憲法前文には、<1>国の姿(自然、国土、歴史、伝統、文化)<2>環境保全や平和主義など目指すべき国家像<3>国の独立と国民の安全を守る意志<4>国民が自らの意思で定めた新憲法であること――の4要素を書き込む。「国防」や「生命倫理尊重」の責務に関する表現も採り入れることを検討している。
統治機構では、現行の議院内閣制と国会の二院制は維持する。[2005/3/13 11:45 読売新聞]
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