サンデー毎日で聖路加の日野原重明さんが

93歳で、聖路加国際病院の理事長としてばりばり活動されている日野原重明さんが、今週の「サンデー毎日」(3月27日号)で、「日本人は平和憲法に殉ずる覚悟がない」と、平和憲法の重要性を語っておられます。

私たちはここ(=憲法前文)に、日本が(平和の)イニシアチブを執ると明言しているのに、何もやらなかったというわけです。日本全体が反省しなければなりません。……憲法をただ安易に変えて、アメリカ中心主義を強化するのではなく、私たちは今まで受けた恩恵を十分に誰かに返さなければなりません。私たちはどこかで戦争の連鎖反応を切らなければならない。
 その連鎖反応を切るのに、私たちの憲法を誤って変えた場合には大変なことになります。ここでどちらにいくかという大切な決意を要しますが、少なくとも直接、戦争には関与しないと言ったからには、危ないところに自衛隊を行かせるということは、どうしてもやめていただきたいと思います。

これは、「サンデー毎日」が紹介している昨年11月の衆院憲法調査会の中央公聴会での日野原さんの発言。「サンデー毎日」の取材に対し、日野原さんは、さらにこうも述べておられます。

「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有する」といっても、世界の総人口64億人のうち5分の1が飢餓状態にある。だから私は、憲法で変えるところがあるとすれば、前文の前提と現状が違うから、現状でどうすればいいかを考えないと意味がないと思っています。

日本の国会で決議したのだから、日本は実行する義務がある。それをしてこなかった。世界の主導性を執れなかった。日本がこうやると言わないで、よそがやっていることを見て、右往左往してきた。だから、あの憲法は空文章のように私は思うんです。今、日本が主導性を執るといっても、少なくともアメリカと組んでいる限りにおいては、ニュートラルなことはできない。その矛盾を国民は考えないといけない。

この記事は、「サンデー毎日」が「シリーズ憲法」と銘うった第1回。「21世紀のこの国のかたちを、憲法の理念に軸足を置き、シリーズで点描していく」という編集部の意気込みに期待したいと思います。

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