昨日は、サントリーホールで日フィルの演奏会を聴いてきました。2005年度定期演奏会シリーズの第1回です。
- ショスタコーヴィチ:交響詩《10月》 作品131
- ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 作品77
- ***休憩***
- エルガー:エニグマ変奏曲(創作主題による変奏曲) 作品36
ヴァイオリンは堀米ゆず子さん。指揮は広上淳一氏。
前半は、ショスタコーヴィチの曲。交響詩10月は、十月革命50周年記念として作曲されたもの。ただし、とても浮かれた雰囲気はありません。ヴァイオリン協奏曲の方は、1947?48年にオイストラフのために作曲されたものですが、48年2月に交響曲第9番がジダーノフに批判されたため、1955年まで発表されなかったという曰く付きの作品。堀米ゆず子さんのヴァイオリンは力強く、さすがという感じでした。
にもかかわらず、あっちこっちで鼻をすする音が聞こえ、散々でした。あっちですっ、こっちでずっ、そして向こうでずずず…。すっ、ずっ、ずずず…、また1拍置いて、すっ、ずっ、ずずず…のくり返しで、まったく音楽に集中できませんでした。
後半は、うってかわって、エルガーですが、ちょっとうって変わりすぎ? 広上さん自身の言によれば、後半もショスタコーヴィチなら「みんな帰ってしまう」からなのだそうですが、僕には、このプログラムの意図がよく分かりません。14の変奏曲全体をつらぬく「エニグマ」は何か?といわれても、曲の奥行き、深みは、ショスタコーヴィチとはくらべようもありません。
ということで、さっぱり興がのらず、演奏終了を待ってそそくさとホールを後にしました。
【音楽会情報】指揮:広上淳一/ヴァイオリン:堀米ゆず子/演奏:日本フィルハーモニー交響楽団/サントリーホール