歴史共同研究委員会は、もともと歴史分野で相互理解と共通認識を深めることを目的に、2002年3月、日韓両政府の合意にもとづいて設置されたもの。政府レベルでの合意なんですから、韓国側は当然ながら教科書検定などへの反映を求めたのにたいし、日本側は「学問的に事実関係を探求できるが、一致は難しい」という姿勢で、結局、かえって傷を残す結果となってしまったようです。残念です。
日韓歴史問題、双方の主張併記へ・共同研究委報告書(日経新聞)
日韓歴史問題、双方の主張併記へ・共同研究委報告書
日本と韓国の歴史学者による日韓歴史共同研究委員会(日本側座長・三谷太一郎成蹊大教授)は26日、都内で会合を開き、歴史問題に関する双方の論文集を交換した。官民による日韓歴史共同研究推進計画合同支援委員会に報告し、夏ごろに出版する。両国の溝を埋めるために始めた共同研究だったが、結局は双方の言い分を並べるだけに終わる。
会合では、最近の日韓関係も話題に出たが、日韓ともに領有権を主張する竹島(韓国名・独島)への言及はなかったという。
同委の韓国側メンバーは、竹島の帰属や歴史教科書の記述、従軍慰安婦などの問題について一定の見解を出し、日本の教科書検定に反映させることを望んだ。しかし、日本側は学問的に事実関係を探求しても一致は難しいと判断。最後は「政府が判断すべき問題」として、両論併記にすることにした。
[NIKKEI NET 2005/03/26 21:28]
「日韓歴史共同研究計画」の日韓両政府の合意については、こちらを参照。
日本側の対応は不可解を通り越して、不誠実に思えます。
そもそも学問的に探求した事実関係を、教科書でちゃんと教えないでどうしようというのでしょうか。「一致は難しい」という日本側の結論を委員会閉会後に言うことで、「所詮外国と歴史観を一致させることなんて出来ないんだ」という「言い訳」を作ったとしか思えません。
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