遺跡出土の「米粒状土製品」、実はコガネムシの糞

古墳の石室などから出土していた土の粒。五穀豊穣を願う儀式で米の粒の代わりに撒いたものではないか?などと議論されてきましたが、実はコガネムシ科の幼虫の糞だったことが明らかに。

大きさ3〜8ミリという小さな土の粒を、1カ月がかりで数えたら1949粒! それは、大中小3つに分類できる、などなど、一生懸命研究されたんでしょうね。何事も、広い見地で見直すことが大事だということです。お疲れ様でした。(^^;)

虫のフンだった!…古墳石室の土粒、学者ら「まさか」(読売新聞)

虫のフンだった!…古墳石室の土粒、学者ら「まさか」
[読売新聞 2005年3月28日14時31分 ]

 古墳の横穴式石室を中心に各地の遺跡で出土し、五穀豊穣(ほうじょう)や子孫繁栄を願う儀式に、米の代用品として使われたと推測されてきた謎の土粒が、実はカブトムシかコガネムシの幼虫のフンだったことが28日、奈良県桜井市教委の調査でわかった。
 “遺物”として、詳細な分析を続けてきた考古学者らを驚かせたり、苦笑させたりしている。
 桜井市教委が6年前、同市倉橋のカタハラ1号墳(6世紀中ごろ)を発掘したところ、米に似た硬い土粒が横穴式石室の床面から大量に出土。1か月がかりで1949粒を数え、3〜8ミリの3種類の大きさに分類できることもわかった。
 ところが、他の研究者から「虫のフンに似ている」との指摘があり、同県橿原市昆虫館に鑑定を依頼。形や3種類の大きさなどが、2回脱皮して成長するコガネムシ科の幼虫のフンと一致することが判明した。石室は盗掘を受けるなどして開口しており、中に入り込んで、腐葉土などをえさにし、未消化の土が排せつされたらしい。
 同様の土粒は、約20年前から、遺跡で出土することが知られ、「米粒状土製品」「擬似米(ぎじまい)」と命名され、儀式の際にまいたと解釈されてきた。今回の成果で、これまで出土した「擬似米」の見直しも迫られそうだ。
 桜井市教委文化財課の橋本輝彦主任は「まさか昆虫のフンだったとは。これほど詳細なカブトムシのフンの研究は世界的にも例がないそうで、別の意味で貴重な学術データになってしまった」と複雑な表情を見せている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください