人質だったイタリア人記者が、救出されて空港へ向かう途中で米兵に射撃され、同行していたイタリア人が死亡した事件について、米軍は、「米兵らの違反なし」の予備的調査報告をまとめました。イタリア側の反発は必至。さて、どうなるか。
伊記者ら誤射「違反なし」 米軍が予備的調査報告 (共同通信)
【ワシントン25日共同】ロイター通信によると、3月にイラクで米軍の銃撃によりイタリア人女性記者が負傷し、同行していた同国の情報機関員が死亡した事件について、米軍は25日までに、当時検問所にいた米兵らに違反行為はなく、処分も行わないとする予備的な調査報告をまとめた。
これに対し、イタリア側は、検問所に接近する際の車の速度など、現場の状況が食い違うと反論しているという。
イタリア国内では事件後、米国への批判が高まり、ベルルスコーニ首相はイラク駐留軍の段階的な撤退を表明。違反行為がなかったとされれば、国民の不満がさらに強まるのは必至で、最終的な調査結果が出るまでは曲折も予想される。
調査報告に関し、米軍関係者は「兵士らは検問所での規則に従い行動していた」と主張。イタリア側は「車の通行を事前に米軍に通告した」としている。
事件では、拉致から解放され空港に向かう途中の記者の車に米軍が銃撃した。人権団体などによると、イラクでは、検問所での米兵による誤射で民間人の犠牲者が後を絶たないとされる。[共同通信 2005年4月26日10時52分 ]