JR宝塚線の脱線事故、とうとう犠牲者は90人になりました。まだ車内に閉じ込められたままの人がいるとのことです。
カーブに制限速度をオーバーして100キロで侵入していたとのこと。しかし、それだけでは脱線は考えにくいでしょう(70キロ制限のところを100キロで走っただけで脱線するようなら、それ自体が恐ろしいこと)。複合的な要因だったのでしょうが、徹底的な原因究明を望みます。同時に、他の要因があったにせよ、速度の出し過ぎがなければ事故は起こらなかったでしょう。その意味では、なぜ運転手は、1分半の遅れを回復するために、乗っていたお客さんが「怖いね」と思うほどのスピードを出したのか? そんなところまで運転手を追いこんだJRの運行管理、人事管理に問題はなかったのか? そこのところもきちんと追及てほしいと思います。
電車100キロ超、尼崎脱線事故の死者90人に
兵庫県尼崎市のJR福知山線で25日朝、快速電車が脱線した事故で、県警捜査本部(尼崎東署)や尼崎市消防局は26日、ファイバースコープなどを使って、マンションに激突して大破した1、2両目を調査した結果、車両内には少なくとも十数人の乗客らが閉じ込められていることを確認した。
いずれも心音などの反応はなかったという。
27日午前7時の段階で死者は90人、負傷者も456人に上っているが、さらに犠牲者が増える恐れが強い。
一方、捜査本部と国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べで、電車が現場カーブに差し掛かった時の速度は時速100キロを超え、制限速度(同70キロ)を大幅に上回っていたことがわかった。
県警などは、ファイバースコープや電磁波を使った人命探査装置で1、2両目を探索。高見隆二郎運転士(23)ら20人以上を見つけた。尼崎市消防局などのレスキュー隊が乗客らを搬送するための作業を急いでいるが、閉じ込められている人の救出は極めて厳しい状態だ。
死亡が確認されたのは男性50人、女性40人。
一方、尼崎市西長洲町の市記念公園総合体育館に設けられた遺体安置所では、約50人について「事故車両に乗っていた可能性があるが、連絡がつかない」として、親族らが相談に訪れるなどしているという。
一方、県警などによると、モーターやブレーキなどの作動状況を電子データとして記録する「モニター制御装置」(車両モニター)が車両に取り付けられており、非常ブレーキをかけた場合、その5秒前から記録が残る仕組み。
県警と事故調は、装置を分析した結果、電車は時速100キロ余りでカーブに進入、直後に急ブレーキがかけられていたという。
JR西日本によると、福知山線での快速電車の制限速度は、直線部分は時速120キロだが、現場カーブは70キロ。高見運転士が直線での減速を怠り、慌てて急ブレーキをかけた疑いがあるとみられる。[2005/4/27/07:00 読売新聞]