以前に、JR西日本の記者会見で記者が罵声を浴びせたり、机をばんばん叩いた記者がいたと書きました(「取材で記者が罵声を浴びせてどうする」)が、今日、読売新聞は、大阪本社社会部長名で、「脱線事故会見巡る不適切発言でお詫び」という記事を掲載しています。
「不適切」とは、クリントン前大統領の事件以来、流行った言葉ですが、間違っていたとはっきり認める訳でもなく、実にあいまいな表現。談話でも、お詫びするのは「不快感を与えた」ことにたいして。「ジャーナリズムに対する信頼を傷つけた」とはありますが、もっぱら問題にされているのは、当該記者の「倫理」や「モラル」ばかり。しかも、「使命感や熱心さのあまり」と記者をかばっていて、歯切れが悪いですねえ。
脱線事故会見巡る不適切発言でおわび 読売・大阪本社(読売新聞)
脱線事故会見巡る不適切発言でおわび…読売・大阪本社
読売新聞大阪本社は12日、尼崎脱線事故記者会見での同社記者の不適切な発言について、社会部長名で談話を出した。
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脱線事故をめぐるJR西日本幹部の記者会見で、読売新聞大阪本社の社会部記者に不穏当・不適切な発言があり、読者の読売新聞およびジャーナリズムに対する信頼を傷つけたことはまことに残念です。読者や関係者に不快感を与えたことに対し、深くおわびします。大阪本社は事実を確認した段階で、ただちに当該記者を厳重注意のうえ、既に会見取材から外すなどの措置を取っています。
本社は日ごろから、日本新聞協会の新聞倫理綱領、読売新聞記者行動規範にのっとり、品格を重んじ、取材方法などが常に公正・妥当で、社会通念上是認される限度を超えないよう指導してきました。今回の事態を重く受け止め、記者倫理の一層の徹底を図ります。
JR西日本の記者会見は記者クラブ員のほか、新聞、テレビ各社から常時100人から50人の記者が出席して事故発生の4月25日から連日開かれています。
当該記者は、5月4日から5日未明の幹部の会見で、事故直後の対応や天王寺車掌区の社員がボウリング大会や懇親会を開いていた問題の説明を求め、「あんたら、もうええわ、社長を呼んで」などと声を荒らげたり、感情的発言をしたりしていました。
JR側の説明が二転三転したため、会見は全体として詰問調になったようですが、当該記者の発言の一部は明らかに記者モラルを逸脱していました。
この模様がテレビや週刊誌で報道されると、読者から叱責(しっせき)や苦情が寄せられました。使命感や熱心さのあまりとはいえ、常に心がけるべき冷静さを欠いたと言わざるを得ません。日ごろの指導が生かされなかったことに恥じ入るばかりです。
脱線事故報道では今も、社会部などの記者70人前後が取材を分担、遺族らの声に耳を傾け、事故原因やその背景など、惨事の真相に迫る努力を続けています。引き続き全力で取材に取り組みます。
大阪本社社会部長 谷 高志
[2005/5/13 03:09 読売新聞]
マスコミが感情的になることには問題がありますよね
やっぱり・・・。
世間に対しての報道は中立であってほしいと思います。