9条改正に条件を付けているように見えるけれど、実際には、<1>集団的自衛権を認める(「国連憲章上の『制約された自衛権』の明記」)、<2>国連決議があれば海外での武力行使に参加する、というもの。
いま焦点になっているのは、アメリカが「集団的自衛権」の名のもとに日本に対し、自衛隊の海外での武力行使にふみだすよう求めていること。「制約された」といっても、自衛権を制約するというのではなく、いま国連憲章に書かれている「自衛権」が、そもそも制約されたものだという認識を示すだけ。国連憲章に集団的自衛権も含め明記されている以上、「制約された」の限定は、集団的自衛権に関しては、何も制限していない。
9条改正で4原則2条件 民主憲法小委が提起
民主党憲法調査会の国際・安全保障問題に関する第5小委員会(座長・中川正春衆院議員)は25日午後の会合で、憲法9条改正論議のための「シビリアンコントロール(文民統制)の明確化」など4つの原則と、「安全保障基本法の制定」などの2つの条件を提起した。今国会の会期末までにまとめる「憲法提言」に向け、この4原則2条件を土台に議論を進める。
4原則は、ほかに(1)国連憲章上の「制約された自衛権」の明記(2)国連の集団安全保障活動を明確に位置付ける(3)平和主義の堅持。この原則を生かす「条件」として「武力行使は最大限抑制的」などを挙げた。
同小委は4月にまとめた報告書最終案で、国連決議に基づく武力行使を含む活動に日本の軍事組織の「弾力的な参加」を可能にすることなどを打ち出した。同小委は、この考え方をあらためて整理し、国民的な安全保障議論を喚起するための原則・条件とした。[共同通信 5月25日20時44分更新]