イラク移行政府が、多国籍軍の駐留延長を国連に要請。
泥濘に一度突っ込んだ足、ますます抜け出せなくなりそうです…。
「多国籍軍駐留延長を」イラク政府、国連に要請
【カイロ=嶋田昭浩】イラク移行政府高官は25日、本紙の取材に、多国籍軍のイラク駐留期限の延長を要請する書簡を国連に送付したことを明らかにした。しかし、国内には多国籍軍の撤退期日を明示するよう求める声もあり、同高官は「外務省が代表して書簡を送ったが、政府内には異論もある」と認めた。昨年6月8日に採択された国連決議によると、決議採択から1年後、またはイラク政府から要請があった場合に駐留期限を再検討するとしていた。
イラク側の求める延長期間は明らかではないが、南部サマワに駐留する陸上自衛隊の撤収時期にも影響しそうだ。
イラクには現在、約13万8000人の米軍を中心に計16万人前後の多国籍軍が駐留している。
しかし、今月初めの移行政府発足後も武装勢力による地元治安組織などへの攻撃は収まらず、イラク側の治安維持能力が疑問視されている。
一方で、イスラム教スンニ派の有力組織などは多国籍軍撤退期日の明示を求めており、駐留延長をめぐる議論は、八月半ばまでの新憲法起草を前に、国内各派の亀裂をさらに深める恐れもある。[中日新聞 2005年 5月 26日]