JR西日本が懲罰的「日勤教育」見直しへ。
個人的には、懲罰的な「日勤教育」を見直す前に、まず会長、社長以下社幹部に、たとえば大阪駅のホームに立って「とんでもない事故を起こしてしまいました。申し訳ありません」と謝らせるとか、衆人環視の環境で「反省文」を書かせるとか、やってみてほしいんですけどね…。「日勤教育」として何がやられていたか、身をもって体験してもらったうえで、見直しをしてほしいと思うのです。
JR西、「懲罰的」日勤教育を見直し
兵庫県尼崎市のJR電車脱線事故を受け、JR西日本が今後の安全に関する基幹対策として国土交通省に示す「安全性向上計画」の全容が28日までに明らかになった。「懲罰的」とされる運転士への再教育プログラム「日勤教育」を全面的に見直したうえ社内の統一基準を作成することや、運転士試験の受験資格の改正、過密ダイヤの改善などが主な柱となる。
同社は、労組側の承認を得られれば今月末にも国交省に提出する。
事故車両を運転していた高見隆二郎運転士(23)=死亡=が速度超過した背景に日勤教育に対する重圧があったとの見方もあることから、JR西日本はプログラムを全面的に見直し、「懲罰的」な内容を一掃する。技能向上やミスの再発防止を目的とした制度に改めるとともに、全社統一のマニュアルを作る方針。[NIKKEI NET 2005/05/28 16:39]
でもって、「日勤教育」の実態はこんなものだったようです。
日勤教育は“見せしめ” JR西労組が運転士にアンケート(中日新聞)
日勤教育は“見せしめ” JR西労組が運転士にアンケート
「ミスをした自分を職場で見せしめにされた」243人、「上司から罵声(ばせい)を浴びた」198人――。尼崎JR脱線事故で死亡した高見隆二郎運転士(23)も受けていた「日勤教育」(再教育)について、JR西日本の西日本旅客鉄道労働組合(大阪市)が運転士に緊急アンケートした結果、こんな実態が分かった。
調査は24日から、同社の全運転士のうち約4分の3に相当する組合員3096人に用紙を配り、27日までに86.4%から回答を得た。日勤教育に関するアンケートは初めて。
それによると、過去3年の間に日勤教育を受けた運転士は、回答者の36.8%に当たる985人。日勤教育の内容を複数回答で聞いたところ、最も多い「見せしめ」は「乗務員が点呼の際に必ず寄る場所の前で反省文を書かされた」といったケースが多かった。
「罵声」は「運転士を辞めろ」「今度ミスしたら辞めさせる」など。「トイレに行くにも許可のいる状態」が21人、「トイレなどの掃除」も10人に上った。
森正暁委員長は「こうした再教育は人権の否定だ。技術の向上に生かされるはずがない」と話し、同社に早急に改善を求める方針を示している。[中日新聞 2005/05/28朝刊]