今週の「九条の会」関連ニュース(29日までの分)。インターネットで検索して見つかったものをピックアップします。「集会をやります」という事前報道を含みます。
- 福島県九条の会:発足講演会に1900人/福島(毎日新聞)
- 子どもたちに平和を 女性・九条の会(岩手日報5/29付)
- 福島県九条の会:あす、発足記念講演会 「判断材料に」参加呼び掛け/福島(毎日新聞5/27付)
- 「改憲」見過ごせない 守る市民の会が発足/高知・須崎市(朝日新聞5/27付)
- 憲法:県九条の会準備会、発足記念 経済評論家・佐高信氏が講演会――27日/鳥取(毎日新聞5/24付)
- 九条の会が下関に発足(中国新聞5/24付)
- 東和で28日、体験を聞く会/岩手(朝日新聞5/23付)
- 9条を語ろう 徳島、講演会に100人参加(朝日新聞5/23付)
福島県九条の会:発足講演会に1900人/福島
憲法論議が高まる中、憲法9条を守る立場の市民団体「福島県九条の会」は28日、福島市の県文化センターで発足記念講演会を行った。約1900人が参加し、熱心に話を聞いていた。
講演では、作家の早乙女勝元さんと下重暁子さんが、自身の戦時中の体験などを交えながら、9条の意義を語り、「二度と戦争を起こさないように、戦争の残酷さを後世に伝えていこう」と呼びかけた。参加した高校生の丸本友紀さん(18)は、「とても分かりやすかった。同年代の人に、もっと平和に関心を持ってもらいたい」と話した。
同会の真木實彦事務局長(73)は「今日は大成功。今後は若い人にも声をかけ、9条を学ぶ場を設けたい」と語り、地域や学校単位の勉強会開催などに意欲を示した。【松本惇】[毎日新聞 2005年5月29日]
子どもたちに平和を 女性・九条の会/岩手
いわて女性・九条の会(山内敏子事務局長)の発会記念行事は28日、東和町のパレスまほろばで開かれ、県内各地から集まった男女約400人が「憲法9条を守り子どもたちに平和な未来を手渡そう」と誓った。
九条の会事務局長の小森陽一東大教授が「世界からみた憲法九条」と題して講演。小森教授は「国の最高法規である憲法を守らなければならない立場の為政者が、言葉を換えて日本を戦争をする国にしようとしている。私たちは言葉に敏感になり、自らの言葉で平和を訴えよう」と語った。
続いて釜石市の千田ハルさん(82)、花巻市の押切郁さん(75)が「防空壕(ごう)で泣きながら恐怖をこらえていた。終戦を迎えた時は飢えと不衛生の中でも明かりをつけて眠れることに安堵(あんど)した」などと第2次大戦時の体験を語った。
同会は、県内の女性26人が呼び掛け人となり発会。書面などを寄せた県内の賛同者は500人を超えており、山内事務局長は「平和を願う個人の力を合わせて活動していきたい」としている。[岩手日報 2005/05/29]
福島県九条の会:あす、発足記念講演会 「判断材料に」参加呼び掛け/福島
戦争放棄、戦力不保持をうたった憲法9条を守ろうと「福島県九条の会」は28日、福島市春日町の県文化センターで、発足記念の講演会を開く。作家の早乙女勝元さんらが、9条の意義を自身の体験などを交えながら、わかりやすく説明する。同会代表の吉原泰助さん(72)=福島大前学長=は「主権者として憲法を考える判断材料にしてほしい」と参加を呼び掛けている。
吉原さんは、全国各地に「九条の会」が発足するのをみて、「福島にも九条の会を」と福島大の真木實彦名誉教授や伊藤宏之教授に声を掛けた。25人の呼び掛け人を集め、今年2月4日に立ち上げた。改憲指向が強まる中で、9条堅持を県民に呼び掛けていく考えだ。
同会は講演会に合わせ、パンフレットを作製した。会の活動や衆院憲法調査会最終報告などが記載されている。事務局長の真木さんは「パンフレットは、捨てられてしまうことが多いので、簡単なものではなく、継続して憲法を考えてもらえるようにした」と語る。
吉原さんは「自衛隊は、9条があるために非戦闘地域にしか行けない。9条がなくなれば大手を振って戦争に行ける。憲法を現状に合わせるのではなく、現状を憲法に合わせ、改善すべきだ」と9条改憲論に反論する。ただ、同会の活動は、9条堅持の考えを押し付けることが目的ではない。「改正には国民投票が必要。我々の活動が、主権者として憲法について考えるきっかけになってもらえれば」と期待を寄せている。
講演会は入場無料。問い合わせは同会事務局まで。【松本惇】[毎日新聞 2005年5月27日]
「改憲」見過ごせない 守る市民の会が発足/高知・須崎市
「平和憲法を守る須崎市民の会」(代表世話人=小松喜代馬さんら4人)の結成大会が25日夜、須崎市新町2丁目の市立市民文化会館であった。同市議会の共産、社民、無所属の議員計8人が「改憲の状況を見過ごすわけにはいかない。市民とともに行動を起こす必要がある」などとして呼びかけ人となった市民ら約130人と一緒に結成にこぎつけた。
大会では「現行の平和憲法を守り、その理念を生かし広げていくために活動する」などの会則を決めた。今後は署名宣伝活動や会員の拡大、講演会、学習会活動をしていく方針だ。
「こうち九条の会」事務局長で弁護士の谷脇和仁さんが招かれ、「今こそ憲法を輝かせるとき」と題して講演。「日本は戦争ができる国に突き進んで行こうとしている。みなさんが憲法9条のすばらしさを語ってもらい、9条の改悪に反対していきましょう」と訴えた。(5/27)
憲法:県九条の会準備会、発足記念 経済評論家・佐高信氏が講演会――27日/鳥取◇県民文化会館で
戦争放棄をうたう憲法9条を守ろうと、県憲法九条の会・憲法ネットワーク(仮称)結成準備会が27日、県民文化会館(鳥取市尚徳町)で憲法講演会「誰が憲法を潰(つぶ)そうとしているのか」を開く。準備会の発足記念で、経済評論家の佐高信氏(60)が話す。午後6時からで、資料代500円が必要。
国会で衆参両院の憲法調査会が今年4月、憲法9条改正を柱にした最終報告書を提出したのを受け、「改悪の危機にある」との立場から今なぜ変える必要があるのかを考える。講演する佐高氏は、雑誌「週間金曜日」編集委員で、経済に限らず政治・社会などへの批判的な評論で知られる。問い合わせは準備会事務局(0857・29・1401)。【松本杏】[毎日新聞 2005年5月24日]
九条の会が下関に発足
憲法九条を守ろうと、下関市内の医師や文化人らの呼び掛けで「九条の会しものせき」が発足した。23日、事務局を担当する弁護士の下田泰さん(55)と東亜大助教授の永山茂樹さん(44)らが記者会見し、「憲法改正の動きに危機感を持つ。平和は人類にとって普遍的価値を持っている。その憲法九条の精神を守るという一点で手をつないでいこう」と呼び掛けた。
会は代表者を置かず、規約なども設けない。自由に情報交換などを通して、九条堅持の立場をアピールしていく。下関出身の元レバノン大使の天木直人さんも呼び掛け人に名前を連ねており、発足時の会員は約80人。永山さんらは「一人一人が賛同者の輪を広げることで、九条を守れという大きな声になってほしい」と話している。[中国新聞 ’05/5/24]
東和で28日、体験を聞く会/岩手
戦争放棄をうたった憲法9条を守ろうとつくられた、いわて女性・九条の会が、「戦争体験を聞く会」を28日、東和町内で開く。大江健三郎さんらによる「九条の会」に賛同する県内の女性26人の呼びかけで2月に会が発足し、発会記念行事として開催される。女性の立場から、悲惨な戦争の実体験を語り継ぎ、不戦の誓いを新たにする。
いわて女性・九条の会は、女優の長岡輝子さん、エッセイスト澤口たまみさん、ガラス絵作家児玉房子さん、被爆者の家族高橋ヨシ子さんらが呼びかけた。生命を産み、育てる女性が、子供や夫を2度と戦場に送り出さないために9条を守ろうという運動に、賛同者は343人に達している。政党や労組には呼びかけず、草の根レベルの個人が賛同者になっている。
「聞く会」は、3部構成で開催される。1部では、東大教授で九条の会事務局長の小森陽一さんが「世界から見た憲法九条」と題して講演。2部では、花巻市の押切郁さんと、釜石市の千田ハルさんが、それぞれ戦争体験を語る。3部では、地元の「ほうほうエンジェルバンド」がミニ平和コンサートを開く。
押切さんは、水沢高等女学校(現県立水沢高校)の生徒だった45年2月、学徒動員で川崎に向かい、悲惨な空襲を体験。学徒動員の日々を、86年に「こころに生きる六十日」としてまとめた。千田さんは、45年7月と8月、千人以上が犠牲になったとされる釜石市への艦砲射撃を体験。同人誌「花貌」を発行し、体験を語り続けてきた。
準備は、東和町の市民団体「ラ・パスの会」が中心になって進めている。「ラ・パス」は、スペイン語で「平和」を示す。02年に町内で、コスタリカを紹介したドキュメンタリー映画「軍隊を捨てた国」を上映したのがきっかけでつくられた。イラクへの自衛隊派遣に反対する集会や署名活動をしてきており、今回、東和町での開催が決まった。
「ラ・パスの会」の柳谷励子さん(41)は「戦後、女性は憲法によって権利を獲得した。日本人が60年間、戦争で殺すことも、殺されることもなかったのは9条のおかげ。出来るだけ多くの人と考えていきたい」と話している。
また吉池恵さん(41)は、宮沢賢治の「農民芸術概論綱要」の序論にある「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」との一文を引用し、「賢治を生んだ岩手には、平和憲法を守ろうとする土壌がある。憲法が危うい今こそ、女性が動く時だ」と語っている。
「聞く会」は、東和町土沢の「パレスまほろば」で午後2時から。資料代を含めた参加料は、500円。問い合わせは、いわて女性・九条の会事務局の山内敏子さんへ。(asahi.com マイタウン岩手 5/23 )
9条を語ろう 徳島、講演会に100人参加
憲法9条の意義や役割について理解を深めようと、県保険医協会が22日、徳島市内のホテルで、講演会「平和と命を守る憲法9条」を開き、県内外の医師ら約100人が参加した。講師には小森陽一・東京大教授(日本近代文学)が招かれ、「9条のメリットを自分の言葉で語ろう」と呼びかけた。
小森教授は昨年、作家の大江健三郎さんや三木睦子さんらが結成した「九条の会」の事務局長を務める。三木さんはこの日の講演会に「戦後60年がたって、いよいよ戦争や戦没者の記憶の風化が言われる時期に、この集会が催されることに絶大なるエールを送ります」とのメッセージを寄せた。
講演の中で小森教授は「北東アジアで米国が武力行使できないのは、同盟国の日本に集団的自衛権の行使を制約する9条があるから」などと指摘。「従来の型にはまった『護憲』ではなく、9条のメリットを自分の言葉で語る『活憲』の運動を」と訴えた。
同協会は県内の医師と歯科医師約600人でつくる。企画した協会事務局長の島本敬一さん(52)は「人々の命を守る医師の仕事と戦争は相反するもの。県内の医療関係者の間で『九条の会』への賛同者を増やしたい」と話した。(asahi.com : マイタウン徳島 5/23)