容疑者から採取したものに限る、からといって安心は出来ません。
DNA情報がデーターベース化されて犯罪捜査に利用されるようになれば、当然、捜査の決め手になるという理由で、DNA情報を採取するケースがいま以上に増えるはず。そうなると、アリバイを聞かれるのと同じように、「血液を提供していただけますか?」ということになって、どんどんいろんな人のDNA情報が蓄積される。
ということで、知らないうちに、DNA情報をつかって国民を管理する「警察国家」が登場しているかも…。こっ、怖〜〜〜〜い (?_?;)
容疑者DNA情報、データベース化へ 有識者会議で賛同(朝日新聞)
容疑者DNA情報、データベース化へ 有識者会議で賛同
警察庁は1日、全国の警察本部が犯罪捜査のために容疑者から採取し、それぞれで保存しているDNA型情報を8月にもデータベース化することを決めた。この日発足した法律や医学の専門家ら6人でつくる有識者会議の席上、同庁が個人情報の取り扱いなどを説明、実現への賛同を得たという。導入時の型情報は約2000人分に上り、将来的には毎年数千件を新たに登録する見込み。人体から直接採取した型情報が初めてデータベース化され、犯罪捜査の効率化が進むとみられる。
型情報のデータベース化は昨年12月、事件の容疑者が現場に残した体液などに限り、運用が始まった。県境をまたがった事件でも同一犯かどうか分かり、各都道府県警が警察庁に容疑者の型情報を送って照会すれば余罪の有無が判明する仕組みになった。
型情報はこのほか、各都道府県警が殺人や強姦(ごうかん)など凶悪犯罪の捜査で、犯人を絞り込むために現場に残された生体資料が容疑者のものと一致するかどうかを調べるDNA鑑定が必要になった際、容疑者から採取して保存されている。ただ、この資料はこれまで、捜査に活用できるデータベース化をしておらず、各都道府県警が個々に管理していただけだった。
データベース化される型情報は、鑑定方法が整った03年8月以降のもので、今年4月現在で容疑者からと現場からの計約3000件。容疑者の罪種は定めず、どのような犯罪でも捜査の過程でDNA鑑定が必要と認められれば、裁判所の身体検査令状と鑑定処分許可状をもとに採取、蓄積する。採取は主に血液を注射で抜き取り、口内の粘膜を取る方法もあるという。
警察庁は全国でDNA型検査専用施設の充実と鑑定員の養成を進めている。各都道府県警では現在、鑑定数が処理能力を超えているため一部の鑑定を見送っている状況。設備が整えば年間数千件ずつの型情報の蓄積が可能になる。また、データは英国や米国とも互換性があるという。
データベースが運用されれば、過去にDNA鑑定された容疑者が出所後に再犯し、現場に毛髪などを残せばすぐに特定されるようになる。
データベース化をめぐっては、型情報が流出したり、乱用されたりする恐れがないかや、法律を制定する必要性があるかなどが課題とされてきた。
有識者会議では、データベース化の目的や、死亡などで必要がなくなった際の削除基準などを国家公安委員会規則に盛り込むことで了承を得たという。席上、警察庁はデータは犯罪捜査以外には使用しないと説明。病気や親子関係などにかかるデータは、そもそも取らない仕組みという。〈DNA型情報〉 細胞中の核に存在するDNA(デオキシリボ核酸)の塩基配列には個人差があり、これで個人識別ができる。DNAは一生を通じてほとんど変わらず、体のどこから採取しても同じ情報が得られるため、「究極の個人情報」といわれる。警察庁が現在行っている鑑定の精度は1億8000万分の1以上で、鑑定する部分を増やすことによって将来的には数十兆分の1にまで高めるという。
[asahi.com 2005年06月01日22時39分]