日フィル第571回定期演奏会/ショスタコーヴィッチ:チェロ協奏曲第2番

16日(金)、サントリーホールで日本フィルハーモニー交響楽団の第571回定期演奏会を聴いてきました。プログラムは、

  • ショスタコーヴィッチ:チェロ協奏曲第2番 ト短調 作品126
  • ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調 作品55 「英雄」

指揮は飯守泰次郎さん、チェロは堤剛さんでした。

この日の出色は、やっぱり何といっても前半のショスタコーヴィッチ:チェロ協奏曲第2番でした。これまでCDでしか聴いたことがなかったのですが、しかし、CDで聴いていたのではさっぱり分からない曲で、期待して聴きに行きました。

プログラムの解説では、「輝かしい技巧と情熱的な歌心を発揮させた第1番に比べると、ほの暗い叙情性に満ちた第2番」「この時期以降、ショスタコーヴィッチの筆致はますます簡素になり、……謎めいた含みを内に秘めたモノローグふうの音楽」と書かれているとおり、内省的というか、ぶっちゃけていってしまえば、よく分からない!曲ですが、堤さんは、それを難しくするのではなく、やさしく聴かせてくれたように思いました。やはり印象的だったのは、くり返し登場する第1楽章の第1主題。最初は少し不協和音的に聞こえる第1主題の旋律が、様々に変形され、様々な楽器で演奏されるうちに、なぜか耳に親しく聞こえてきたのがとても不思議な感覚でした。

後半のベートーヴェンは、スタートはスローな印象。ただ、僕の好みとしては、管の音が弱く、ちょっと物足りない感じでした。

それにしても、空席が目立ちました。6割というところでしょうか。こんな珍しい、しかも聴き応えあるプログラムなのに、と思うのは、こっちの思い込みで、やっぱりショスタコーヴィッチではお客さんはあつまらないのでしょうかねえ…。残念。

追伸>
それから、またまた演奏中に鈴の音がしてましたねぇ。多分犯人は、2階席センターのところで、演奏中に着信した携帯メールを見てた男性です。携帯ストラップの鈴の音じゃないかと思うのですが、携帯の電源を切ってなかったことと合わせて、二重の犯罪行為です。

音楽会、演奏会には、鈴のついたもの(キーホルダー、携帯ストラップ、財布、カバンなど)は持っていかない。持っていったらクロークに預ける。せめて、鈴のついたものには演奏中手を触れない。――この程度のことは、マナーとして守ってほしいものです。

【演奏会情報】指揮:飯守泰次郎/チェロ:堤 剛/ゲスト・コンサートマスター:豊田弓乃/演奏:日本フィルハーモニー交響楽団/サントリーホール/2005年6月17日(金) 19:00開演

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