都響第611回定演Aシリーズ/メシアン:トゥランガリラ交響曲

選挙中で申し訳ないと思いつつ、それでも今季都響定演Aシリーズを選んだ目的の1つだったので、こっそり聴きに行ってきました。

  • 原田節:「薄暮、光たゆたふ時」〜オンド・マルトノとオーケストラのための
  • メシアン:トゥランガリラ交響曲

ということで、オール“オンド・マルトノ”プログラム。オンド・マルトノと言われても、僕は分からなかったのですが、鍵盤付きだけど、中間音も出るという不思議な電子楽器です。「宇宙大作戦」(スター・トレック)のテーマ曲のタ〜リ〜〜〜ラリ〜〜〜という、あんな感じの音といえばピンとくるかも(ただし、ほんとにあの曲がオンド・マルトノかどうかは知らないけど)。

この曲、作曲されたのは1946〜48年にかけてで、ぐっと新しい曲ですが、無調や12音階の曲とは違って、不協和音でギョメシアンのトゥランガリラ交響曲をナマで聴くのは初めてです。前にも書いたことですが、こういう現代曲というのは、やっぱりナマで聴くのが一番。井上道義氏の飛んだり跳ねたりの指揮と、100名近い(超えてた?)オケのど迫力に圧倒されました。

変わっていたのは楽器の配置。まず指揮台をはさんでオンド・マルトノとピアノが両側に置かれています。それから、左から弦が第1バイオリン、第2バイオリン、ビオラと並んでいるのはまあ普通として、その後ろ、いつもなら管楽器がならぶところにチェロが並び、そして舞台最後尾にずらっと横にベースが陣取っています。で、管楽器はオケの右手に、反対側には打楽器などが並んでいます。これって、メシアンの指示なんでしょうか? それとも指揮の井上道義氏のアイデアなんでしょうか? ご存じの方ご教示ください。

ワワワワァ〜〜とか、打楽器を強打してドッカンドッカンやったりする合間に、いかにもアメリカンな感じのメロディーが登場するのが印象的でした。この部分だけとりだすと、クラシックと言うよりジャズ? あるいは映画やバレエ音楽みたいな感じがしました。

で、オリエンタリズムみたいなところもあったりして、なかなか曲全体のイメージが見えてこないのですが、井上道義氏は、飛んだり跳ねたり、全身をクネクネさせたりしながら、的確にまとめあげたという感じでした。

ところで前半の曲は、オンド・マルトノ奏者の原田節氏が自ら作曲した曲(1999年、名古屋フィル委嘱、2000年初演)。不思議なオンド・マルトノの魅力にあふれた曲でした。

原田節氏のホームページ 
→オンド・マルトノについては、こちらをご参照ください。

【演奏情報】指揮:井上道義/オンド・マルトノ:原田節/ピアノ:平野一郎/コンサートマスター:山本友重/演奏:東京都交響楽団/東京文化会館大ホール 19時開演

都響第611回定演Aシリーズ/メシアン:トゥランガリラ交響曲」への2件のフィードバック

  1. GAKUさんこんばんは。
    今回も独特の配置で演奏したんですね。丁度1年前にNJPでの演奏もそんな感じの配置でした。この配置はメシアンの指示ではなく、この曲をを何度も演奏してきた井上道義がベストと考える配置なんだそうです。

  2. jsoquinさん、お早うございます。

    そうですか、あの配置は井上道義氏のアイデアなんですね。貴重な情報ありがとうございました。

    それにしても、道義氏はサービス精神たっぷりで、ほんとに楽しませてくれます。演奏後の拍手で、道義氏が舞台に呼び戻されたとき、ちょうど間が悪くというか、目の前で1回最前列から席を立って帰っていくお客さんがいたんですが、道義氏は、舞台の上からそのお客さんにバイバイと手を振って、会場全体を笑わせていました。(^^;)

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