中国南部の広東省広州市で、3人が、旧日本軍の遺棄した毒ガス兵器による被害。
すでに日中政府間で、旧日本軍の遺棄毒ガス兵器の処理については合意していますが、しかし、まだ処理施設も建設されていないし、中国全体でどれだけの遺棄毒ガス兵器があるかも分かっていません。
旧日本軍毒ガスで3人被害、外務省陳謝 中国・広州(読売新聞)
旧日本軍毒ガスで3人被害、外務省陳謝 中国・広州
外務省は26日夜、中国広東省広州市で今月21日に川辺で砂を採集していた住民3人が、旧日本軍の砲弾による毒ガスを吸い込み、病院で治療を受けていることが判明したとする外務報道官談話を発表した。
3人は命に別条はなく、快方に向かっているという。
外務省によると、中国での旧日本軍の遺棄化学兵器による毒ガス事故としては、2003年8月、東北部の黒竜江省チチハル市で40人以上が死傷する大規模な事故などがあった。南部で被害が出た事故は初めてだという。
談話では、「極めて遺憾であり、被害者の方々に心からお見舞い申し上げる」と陳謝し、「今後、このような被害が生じないよう、危険な状態にある遺棄化学兵器をできるだけ早く処理すべく最大限の努力をする」としている。
今回の事故では、中国外務省が23日、北京の日本大使館に対し、「旧日本軍の遺棄化学兵器の砲弾が原因であることはほぼ間違いないので、早く専門家を派遣して確認作業をしてほしい」と伝達。日本政府は専門家を派遣して現地で調査した結果、砲弾5発が見つかり、形状から旧日本軍のものと結論づけた。外務省関係者は「中国南部では、旧日本軍が退却時に化学兵器を川に捨てていったため、今回もその一部である可能性がある」としている。
日本政府は、大量の旧日本軍の化学兵器が遺棄されている吉林省ハルバ嶺での処理施設建設に向けて、中国側と協議を続けている。さらに、中国各地に複数の小規模処理施設を新設する方向で検討している。[2005年6月27日1時28分 読売新聞]