岡本太郎の幻の壁画「明日の神話」の修復作業がいよいよ始まりました! 無事に修復されたら、ぜひ早く見たいものです。
岡本太郎壁画:「明日の神話」、修復へ35年ぶり里帰り(毎日新聞)
こちらは、岡本太郎記念館の「原画」です。
岡本太郎壁画:「明日の神話」、修復へ35年ぶり里帰り
芸術家の岡本太郎さん(1911?96年)が原水爆をテーマにメキシコで製作した巨大壁画「明日の神話」が16日、修復のため、愛媛県東温市の建材メーカーの作業場に到着した。保存状態が悪く、100個ほどの破片となっているが、強烈な色合いからは岡本さんの強い反戦反核の思いが読み取れる。
壁画は大阪万博のシンボル「太陽の塔」と並行して68?69年に製作された。壁画芸術が盛んなメキシコの実業家からの依頼を受けた。完成時は縦5.5メートル、幅約30メートル。セメント材の壁板に爆発の瞬間を再現した。炎に包まれる骸骨(がいこつ)や第五福竜丸をイメージした船を描き、悲劇を乗り越える人間の強さを表現したとされる。
ホテルのロビーに飾られる予定だったが、経営者が破産してホテルは開業せず、壁画は取り外され倉庫などを転々とした。下絵は各地で展示されているが、実物は「幻の壁画」とされ、展示されたことはない。
03年に岡本さんの養女の故・敏子さんが同国の資材置き場に放置されていたのを発見。これを機に今回、約35年ぶりに“里帰り”が実現した。
今後は絵画修復家らが約1年かけてボロボロになった破片をパズルのように組み合わせ、すき間を埋める。この日、壁画の破片を入れた木箱10箱が作業場に到着。関係者が包みを開け、力強く鮮やかな色合いの壁画の一部を並べた。
敏子さんのおいで、岡本太郎記念館(東京)館長の平野暁臣(あきおみ)さん(46)は「被爆60年の今年、この絵がよみがえるのは偶然とは思えない。テロの悲劇が相次ぐ今こそ、太郎さんのメッセージを伝えたい」と話した。【小林祥晃】
[毎日新聞 2005年7月16日 22時40分 (最終更新時間 7月16日 22時50分)]