14日、民主党が「財政健全化プラン」(中間報告)を了承。発表された「プラン」を見ると――
「第1改革期間」(最初の3年間)の歳入増項目として、「控除(扶養・配偶者・配偶者特別)廃止(1.9兆円)」があげられています。これは、いま政府税調(石弘光会長)が打ち出して大問題になっている「サラリーマン増税」と基本は同じです。また、この期間に、「年金目的消費税」を創設するとしています。
社会保障費については、昨年12月に確認された「『財政健全化プラン』策定にあたっての基本方針」で、すでに「各年度の社会保障に係わる予算の伸び率は、GDPの伸び率以下に抑制する」となっています。
第2改革期間(第1改革期間終了後の5年間)には、「必要な財源を確保するため、税制の抜本的改革を行う。その際、『公平・中立・簡素』の原則をふまえつつ、広く、公平に負担を求めることとし、また経済活動・民間活動の拡大・促進に配慮する」としています。「公平・中立・簡素」とか「広く、公平に負担」というのは、政府税調や日本経団連などが、消費税増税、所得税累進制緩和(つまり金持ち減税)、課税最低限度の引き下げなどを主張するさいにもちだす口実です。
また「経済活動・民間活動」に配慮するというのが、庶民の暮らしへの配慮でないことはいうまでもありません。ここでいう民間=大企業であり、日本経団連などが要求している法人税引き下げを実現しますよ、ということを財界にむかって約束しているわけです。
8年間で基礎的収支黒字化 民主が財政再建プラン
民主党は14日の「次の内閣」で、政権獲得後8年間の「改革期間」で財政再建を目指す「財政健全化プラン」を了承した。現在約16兆円に上る基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字を最初の3年間(第1改革期間)で10兆円未満に圧縮し、その後の5年間(第2改革期間)で黒字化を図るのが柱。次期衆院選のマニフェスト(政権公約)の柱の1つとする考えだ。
小泉純一郎首相が政権発足当時に公約として掲げながら断念した、新規国債発行額の年30兆円未満への抑制も盛り込み、財政再建に向けた意欲を強調した。
岡田克也代表の指示で、野田佳彦「次の内閣」財務相らが中間報告として作成した。
[河北新報 2005年07月14日木曜日]
民主党の肩を持つことになるわけですが、扶養控除は児童手当に置き換わるので、より低所得者に有利になりませんか。配偶者控除も年収300万かつかつの人より、年収1500万の高給取りサラリーマンにものすごく有利な制度で、大企業の社員と結婚して専業主婦の地位を獲得した人だけを優遇するようなものです。「生活者ネット優遇税制」という感じがしないでもありません。
年金目的消費税も、現在の国民年金保険料は実質人頭税なわけで、これが消費税におきかわるなら、税率が5%上がっても月収27万5400円までの人は得になるわけです。
むしろ民主党の問題は、支出を10兆円圧縮すると言っていることだと思います。保育や生活保護、ひとり親家庭対策などのサービス切り下げが行われる可能性が高いと思います。
先進国一安い税金を云々するより、先進国一悪い公共サービスをどうするか考えて、そこから働き口や、所得を増やすことを考えた方が、困っている人の役に立つ考え方ではありませんか。