自民党の改憲草案発表を、アジアはどう見たか。韓国のメディアの論評を拾ってみました。
日本自民党「自衛軍保持を憲法に明記」(東亜日報)
【社説】周辺国を不安にさせる日本の‘普通の国’改憲(中央日報)
日本自民党「自衛軍保持を憲法に明記」(東亜日報)
日本の与党自民党が、自衛隊を自衛軍に格上げし、海外での武力行使を許可することを骨子とした新憲法の草案を確定した。
自民党の草案は、戦争放棄および戦力の不保持を宣言した現行憲法第9条に大幅に手を加えたもので、第2次世界大戦敗戦後、タブー視されてきた再武装への道を開いたものと指摘されている。
自民党の新憲法起草委員会は1日、元首相で構成された幹部会議を開き、党創設50周年にあたる今年11月に発表する新憲法草案を確定した。政党の改憲案が、具体的な条文の形で輪郭を表したのは初めてのことだ。
同草案は、「侵略から日本を守り、国家の平和と国民の安全を確保するために、自衛軍を保持する」と明示し、名実ともに軍事戦力を備えることを明らかにした。
また、自衛軍の任務として、日本列島の防衛のほかに、「国際平和および安全確保に必要な活動」と規定し、専守(守備に専念するという概念)防衛の原則を放棄して、海外派兵を重視する路線に切り替えた。ただし、自衛軍の出動と派兵には、国会の承認を条件とした。
「戦争放棄」を規定した第9条1項は、従来の趣旨が維持されたものの、2項の「陸海空軍およびその他の戦力の不保持」と「交戦権の否認」の条項は削除された。
国家と地方自治体が、政教分離の原則によって禁じられる宗教活動の項目のうち、「社会的儀礼の範囲内にある場合」を除く、とした。これは、首相の靖国神社参拝を念頭に置き、参拝料を公金から支出するための名分づくりと解釈される。
また、「衆議院および参議院の総議員3分の2以上の賛成」となっている改憲案の国民投票の要件を「過半数の賛成」に緩和し、自民党単独でも改憲案を発議できるように改めた。
野党第一党の民主党が作成中の改憲案も、主要争点では自民党の草案に近いとされ、来年から本格化する政界の改憲作業は、保守右傾化の色彩を帯びることが確実視される。[東亜日報 AUGUST 03, 2005 03:05]
【社説】周辺国を不安にさせる日本の‘普通の国’改憲(中央日報)
日本の自民党が憲法改正1次草案を発表した。 戦争能力の保有を禁止し、国家交戦権を認めない現行憲法9条第2項を削除した。 集団的自衛権の行使は明文化しないものの、解釈を通じて容認することにした。 1947年に制定された現行憲法(平和憲法)の改正案を執権党が条文化して発表したのは、今回が初めてとなる。
現在、日本は激しい右傾化の波に乗っている。 毎日新聞が今回の改正案と似た内容について昨年実施した世論調査では、59%が改憲に賛成した。 第1野党の民主党も一部の改正案には異見を唱えているが、改憲自体には反対していない。 したがって、こうした改憲案の国会通過は時間の問題とみられる。
日本は経済力に見合った発言権を軍事分野でも持つべきだとし、「普通の国」論を主張してきた。 今回、改憲案が通過すれば、こうした宿願が実現されるだろう。 海外での武力行使も事実上可能となり、同盟関係の米国が介入する戦争にも賛同できるからだ。 日本がこのように時代と環境の変化に従って改憲するのは、主権国家として可能である。
しかし日本は留意すべき点がある。 韓国・中国など周辺国の憂慮を勘考する姿を見せなければならない、ということだ。 そうしてこそ「普通の国」としての国際的信頼を得られるからだ。 しかし現実はこれとは正反対に進んでいる。 第2次世界大戦の主要戦犯が祭られた靖国神社を小泉首相が今年の8月15日にも参拝するというのは、過去の軍国主義に対する反省がないという証拠だ。
過去の歴史を反省しない日本が、軍事強国化の道を歩むというのは、北東アジア情勢をさらに不安定にさせる。 もちろん、日本がむやみに北東アジアの覇権を追求するとは見ていない。 しかし執権党内の一部の言動を見ると、こうした憂慮も払拭されない。 日本は憲法改正の推進とともに、周辺国との真の和解にまい進しなければならない。 それが日本にとっても国益になるはずだ。[中央日報 2005.08.02 19:14:27]
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