各地の「九条の会」にかんするニュースを紹介します。ただし、東京で開かれた有明講演会のニュースを除きます。
- 文化人結集「九条の会」 平和憲法アピール(朝日新聞・徳島 8/3)
- 戦後60年目の証言<12>憲法前文も教育基本法も懺悔に(朝日新聞・愛媛 8/3)
- 挿絵で生き生き岡山弁憲法(朝日新聞・岡山 7/31)
- 「九条の会」を結成 県内の弁護士90人明文改憲に反対(静岡新聞 7/23)
- 「九条の会」が交流集会(朝日新聞・香川 7/25)
文化人結集「九条の会」 平和憲法アピール
戦後60年の節目を迎え、平和憲法の大切さを芸術の世界からもアピールしていこうと、県内の演劇愛好家や音楽家らが集まり、「映画・演劇・音楽愛好者九条の会」を7日に結成する。大江健三郎さんや三木睦子さんらが04年に結成した「九条の会」の呼びかけに県内の文化人たちが賛同した。自民党の新憲法起草委員会が9条に「自衛軍」の保持を明記した条文案を公表するなど、改憲の動きが進む中、「平和が続いてこそ、映画や音楽を自由に楽しめる」と広く訴えていくという。(保田達哉)
同会は、5月末に徳島市民劇場の湯浅良幸会長が中心となって準備会を設立。川竹道夫・徳島ギター協会長や庄野龍夫・徳島リコーダー協会長、「徳島でみれない映画をみる会」の篠原和男会長ら13人が呼びかけ人として名を連ね、これまでに約80人の賛同人を集めた。
湯浅さんは「9条があったからこそ、60年間平和が守られてきた。日本は今、戦争をする国に変わろうとしている。11月に設立される『9条の会徳島』や各地の平和団体と連携をとり、全県的に活動したい」と意気込みを語る。
結成総会は7日午後2時半から、徳島市元町1丁目の市シビックセンターで開かれる。憲法前文と9条を朗読するほか、今後の活動や、会の運営方法を話し合う。
総会の前後、午後1時と午後3時40分から、海外の識者12人が日本国憲法について語った「映画日本国憲法」を上映する。入場料999円(税込み)。同会への問い合わせは準備会まで。高松で来月11日憲法学者ら講演
高松市の香川県民ホールでは、米国同時多発テロから丸4年となる9月11日、「九条の会」の呼びかけ人となった憲法学者の奥平康弘・東大名誉教授と同会事務局長の小森陽一・東大教授の講演会「憲法九条、今こそ旬」が開かれる。
昨年9月、大学教授ら10人が呼びかけ人となって発足した「9条の会・かがわ」が主催する。平和憲法の持つ意味と、9条の果たしてきた役割について話す。
講演会は午後1時半から、資料代500円。問い合わせは香川県高校教職員組合内の「9条の会・かがわ」事務局まで。
[asahi.com マイタウン徳島 8/3]
戦後60年目の証言<12>
憲法前文も教育基本法も懴悔に
内務省に勤めていた父は転勤が多く、戦時中は神戸、高知などを転々としました。国道11号建設のため、東予に赴任した。私は西条中学に入りました。でも授業より、塩田造りのための赤土掘りなど土木作業が多かった。
学校では週1回、精神注入の全校集会がありました。校長や軍人が2時間ほど講演し、全員の目をつぶらせ、「若い命を天皇陛下にささげる決心ができた人は立ちなさい」と。耐え難い静粛が流れ、コソコソ立つ音が聞こえる。ターゲットは中学3、4年でした。私は2年で予約みたいな形で海兵を志願しました。表向きは自主的な、本人の希望という形を取るんです。気の弱いもんの負けですな。
終戦後は激動でした。両親は食べ盛りの子3人を抱えてヤミ市を回ったようです。学校では歴史や国語の教科書に墨が入り、民主主義という言葉を初めて聞きました。全員に配られた新憲法を読んだ時は「何じゃこれ」と思ったもんです。
風聞ですがね、ある教師が生徒を戦争に送り出したことを悔やんで、戦死者の忠霊塔の前で泣いていたらしい。そんなことを聞くうち、憲法前文はウソじゃないんだ、という気持ちが育ちました。
父は原爆投下の3日後に仕事で広島に入り、その影響とみられる胃がんで亡くなりました。そういう意味で私は被害者だけど、近くの中国人や朝鮮人に石を投げつけたりしていじめた経験もある。その時の中国人の目つきは忘れられんですな。怒りでも、憎しみでもない。「人間同士そんなもんやないやろ」と言いたげな、悲しそうな目の色でした。
憲法前文も教育基本法も、私には日本人がしでかしたことの懴悔(ざんげ)に読めるんよね。松山東雲高校で国語教師をした30年間、そう生徒に伝えたつもりです。でも、中国や韓国に「いつまで被害者でいるつもりや」と言う社会になってしもうた。申し訳ない気持ちです。
6月に地元の桑原地区で、憲法を学び、身近に感じ、生かしていく「9条の会」を作りました。会員は70人超。戦争を体験した我々が今、こうした活動をやっていかんとな、と思っています。小亀 博さん
松山市在住。西条中学2年の時、終戦を迎えた。戦後は私立高の国語教師に。現在は地域の「守ろう憲法9条!桑原の会」事務局長を務め、公園管理ボランティアなど社会教育にかかわり続けている。
[asahi.com マイタウン愛媛 8/3]
挿絵で生き生き岡山弁憲法
憲法全文を岡山弁に置き換えた市民団体「九条の会・岡山」が30日、岡山市の下石井公園で、この「岡山弁憲法」につける挿絵を描くイベントを催した。近所の小学生らが愛や地球、自然など九つのテーマから夕日や山などを描いた。
岡山弁憲法は3月末、99人が翻訳に携わって完成。生存権を記した憲法25条1項では「わいらーみんなは、ばんこ元気で気持ちよぉー生活する事ができるんじゃ」と訳されている。
この日は、岡山弁憲法を読んだり説明してもらったりしながら画用紙に絵の具などで描いた。憲法はまだ習っていないという市立岡山中央小学校4年、木原舞海さん(9)は夕日であかね色に染まる空を描いた。主催者は「憲法を知らない子どもたちが少しでも考え、身近に感じてもらうきっかけになれば」と話した。
九条の会は、挿絵入りの岡山弁憲法の冊子を1500部つくり、うち500部を希望者に配るという。また、8月10日まで、挿絵を募集している。郵送先は、〒700-0011、岡山市学南町2丁目5の73、姫井事務所内の「九条の会・岡山」絵本係。「岡山弁憲法」の全文はホームページ(http://himei.jp/)で見られる。問い合わせは同事務局の姫井さんへ。
[asahi.com マイタウン岡山 7/31]
「九条の会」を結成 県内の弁護士90人明文改憲に反対
県内の弁護士有志が「憲法9条の明文改憲に反対する」との立場から「県弁護士九条の会」を結成し、23日、静岡市葵区の県法律会館で「結成総会」を開いた。
同会は、作家の大江健三郎氏ら9人が昨年6月に発表した「改憲の企てを阻むため、あらゆる努力を今すぐ始める」とのアピールに共鳴した弁護士の集まり。県内約230人の弁護士のうち、約90人が参加している。
総会には約55人が出席した。役員を選出したほか、今後の活動として、一般向け講演会を開催することや、県内に約30ある「九条を守る会」とネットワークを形成することなどを確認した。
この後、憲法学者で東大名誉教授の樋口陽一氏が講演した。樋口氏は「改憲は最終的に国民投票で決まる。九条の存在意義などを市民に伝える草の根の活動が重要となる」と会の発足を歓迎した。
[静岡新聞 2005/07/24]
「九条の会」が交流集会
平和憲法を守る活動の輪を広げようと24日、高松市の県民ホールで、県内で相次いで発足した「九条の会」の交流集会があった。昨年9月、県内の大学教授ら10人が呼びかけ人となって発足した「9条の会・かがわ」が主催。同会によると県内にはこれまで、職場や地域ごとに約20の「九条の会」が誕生したという。
「9条の会・かがわ」呼びかけ人の近藤浩二・香川大名誉教授が「侵略戦争の反省が薄れてきている今、9条だけは絶対、改悪させないという輪を広げていきたい」とあいさつ。その後、ドキュメンタリー映画を活用した活動例の報告や、9条を守ることを訴えるために作られた尺八の曲「厳正たり九条」の生演奏が続き、約150人の参加者は熱心に耳を傾けていた。
「9・11米国同時多発テロ」が起きた9月11日には、作家の大江健三郎さんらとともに九条の会結成の呼びかけ人となった、奥平康弘・東大名誉教授と同会事務局長の小森陽一・東大教授の2人が県民ホールで講演する。午後1時半からで、資料代500円。問い合わせは県高校教職員組合内の「9条の会・かがわ」事務局へ。
[asahi.com マイタウン香川 7/25]