イラクに派遣されたイタリア軍の一部130人が帰国。イタリア政府はイラク派遣軍の撤退を9月に開始するとしていたが、繰り上げられた模様。
イラク撤退1カ月繰り上げ イタリア軍130人
【ローマ14日共同】13日のイタリア各メディアは、9月に開始予定だったイラク駐留イタリア軍の一部撤退が1カ月繰り上がり、8月から始まったと報じた。
スカイテレビなどによると、イラク南部ナシリヤの駐留イタリア軍広報官は、海兵隊員など130人が帰国し、その補充はないと述べた。派遣期間を終えた部隊の補充をしないことで、実質的に兵力削減を開始したとみられる。しかし同テレビによると、ローマの軍広報官は「補充しないとは言えない」とし、撤退開始の確認を避けた。
イタリア政府はこれまで、駐留軍3000人のうち300人を9月に撤退させると発表していた。
ロイター通信は軍当局者が「撤退は政治的理由でなく財政的理由による」と述べたと報じた。
イタリア政府は撤退の条件として従来「米軍などとの協議」「現地の治安改善」を挙げていた。13日付スタンパ紙は、ナシリヤ周辺の治安が保たれているため条件が満たされたのではないかと報じた。
イタリアは欧州大陸で最も米英に近い同盟国として多国籍軍に参加。ロンドン同時テロで出された犯行声明は、イラクから撤退しないとイタリアが次のテロ標的になると警告していた。[中国新聞 ’05/8/14]