伊東出張のあいまに
- 玉野井芳郎・柏崎利之輔編『近代経済学の系譜 その史的再検討』(日本経済新聞社、1976年)
- 小野善康著『貨幣経済の動学理論 ケインズの復権』(東大出版会、1992年)
『近代経済学の系譜』の方は、論文集。杉原四郎氏の「J・S・ミルの利潤率低下論」がおもしろかった。岡田純一「スミス経済学の包括的把握」は、S・ホランダー『アダム・スミスの経済学』の紹介がおもな内容だったけれど、これも興味深い。
『貨幣経済の…』の方は、不況時などに「貨幣愛」とでもいうべき、流動性選好などとは別に、貨幣保有それ自体を自己目的化したような事態が出現し、それによって、不況均衡が起きてしまうということを明らかにしたもの。消費税導入がどんな意味を持つかなど、なかなかリアリティある議論で、いま半分くらいまで読んだところ。しかし、数式はさっぱりわからん…。(^_^;)
その他、インターネットで「置塩の定理」にかんする論文を2本ほど手に入れる。議論が精緻化されるにつれて、素人では理解できんことが増える…。