勅使河原彰『歴史教科書は古代をどう描いてきたか』

勅使河原彰『?史教科書は古代をどう描いてきたか』

帯に「『つくる会』教科書、徹底批判!」とあるので、最初は、「つくる会」の歴史教科書の古代史部分をとりあげて批判した本かと思って読み始めましたが、実際には、それにとどまらず、明治以来の歴史教科書と歴史教育の移り変わりを丹念にあとづけて、そのなかから「つくる会」歴史教科書の問題点を明瞭に浮かび上がらせています。

明治維新で誕生した新国家は、最初から教育にたいする統制の意図は持っていましたが、それでも、最初から国定教科書でもなかったし、南北朝についても両統併記だったのが、自由民権運動と対抗し、大日本帝国憲法を定めて国会開設にいたる時期に、国定教科書となり、南北朝正閏論でも南朝正統説になる、など統制が強まったことが分かります。そのとき同時に、内容への統制が強められたのが、日本の歴史の「始まり」の部分で、天照大神から始まるのが日本の「正史」とされるとともに、考古学的な知見が排除されるようになります。

さらに勅使河原氏が力を注いで明らかにしているのは、その戦前の国定教科書で日本の歴史の始まりとされた「天照大神」以下の「神話」が、けっして、古事記・日本書紀に記された「神話」そのままではなく、それを巧妙に改作してあることです。
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小泉政権の“サラリーマンいじめ”

テレビが連日、郵政反対派への小泉首相の「刺客」候補擁立を、さも大事件かのように報道していますが、これは最大でも300小選挙区のうちの37選挙区の話。所詮、総選挙の部分の問題でしかありません。

それに比べれば、この日刊ゲンダイの記事。よっぽど、真正面から総選挙の争点を問題にしています。

小泉政権 これだけのサラリーマンいじめ(日刊ゲンダイ)
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