小泉政権の“サラリーマンいじめ”

テレビが連日、郵政反対派への小泉首相の「刺客」候補擁立を、さも大事件かのように報道していますが、これは最大でも300小選挙区のうちの37選挙区の話。所詮、総選挙の部分の問題でしかありません。

それに比べれば、この日刊ゲンダイの記事。よっぽど、真正面から総選挙の争点を問題にしています。

小泉政権 これだけのサラリーマンいじめ(日刊ゲンダイ)

小泉政権 これだけのサラリーマンいじめ(ゲンダイネット)

「郵政解散だ」「郵政民営化が唯一の争点だ」――こんな小泉首相にダマされてはいけない。サラリーマンにとって今回の総選挙の最大の争点は「小泉首相のサラリーマンいじめを今後も続けさせてもいいのか」である。小泉政権が誕生してからの4年4カ月の間に、サラリーマンの生活がどれだけ苦しくなったかを見れば、その答えはおのずと明らかだ。

●収入の減少

 総務省統計によると、勤労者世帯の月額ベースの実収入は、小泉が首相になった01年は55万1160円あったが、04年は53万28円。2万円以上も減った計算だ。
「上場企業は2年連続最高益を挙げている。にもかかわらず、従業員への分配はほとんどない。小泉政権ではそれが当たり前になった」(経済評論家の広瀬嘉夫氏)

●税金などの負担増

 小泉政権が年末までに実施する増税・社会保障費の値上げの総計は推定3兆3261億円に達する。国民1人当たり約2万6000円の負担増。4人家族なら10万円の“増税”になる計算だ。
「そればかりか、総選挙後も小泉政権が続けば、個人所得税や住民税などの増税が確実に実施されます。すでに来年1月からの実施が決まっている定率減税の縮小を含めると、さらに4兆円近い増税になります」(第一生命経済研究所主席エコノミストの熊野英生氏)
 そうなると、小泉増税は7兆円を超えることになるのだ。

●年金制度の改悪

 この4年間で年金保険料は大幅に増え、受け取る額は大幅に減少した。田中年金総合研究所の田中章二氏が言う。
「例えば01年5月に年収700万円だった勤続18年の40歳の男性が45歳のいま年収760万円になったと仮定します。厚生年金保険料は年間6万4726円も多く徴収されながら、65歳から受け取れる年金額は17万5000円も少なくなる計算です。さらに厚生年金の保険料率は17年に18.3%(労使折半)に達するまで1年ごとに上がっていくのです」

●雇用の不安定化

 労働者派遣法の相次ぐ緩和で、派遣社員を雇える業種が拡大。企業は雪崩を打って正社員を派遣社員に置き換えた。小泉政権は2年前にそれまで禁じられてきた製造業への派遣を解禁し、これからは製造現場でますます低賃金で不安定な労働者があふれることになる。さらに「やはり2年前の労働基準法の改正で裁量労働制の適用範囲が拡大され、ホワイトカラーのサービス残業も増えている」(弁護士の山口宏氏)というから、リストラを生き延びた正社員も地獄だ。【2005年8月16日掲載記事】

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