民主党の傲慢体質

民主党が、岡田代表と小泉首相との1対1の党首討論を要求したのにたいし、小泉首相は拒否。

首相は、その理由を「民主党だけじゃないからね、政党は。他の党に失礼でしょう」と説明。その限りでは、小泉首相の主張の方が正当。

民主党は、野党は自分たちだけだと見せたいのだろうけれど、総選挙を前に、自民、民主だけでなく、共産、社民を含め、主要政党だけでも5政党が国民の支持を争っている訳で、党首討論をおこなうなら、こうした各政党が平等に参加した形でおこなうべきことは言うまでもありません。

民主党は、政権公約でも衆議院の議員定数80削減を掲げています。これが比例代表の定数削減であることは明らか。しかし、もともと定数1の小選挙区では「死票」がたくさんでて、国民の多様な政党支持が切り捨てられるので、比例代表は、多様な民意を反映させる役割を与えられています。だから、比例定数の80削減は、国民の多様な政党支持を切り捨てるものに他なりません。

1対1の党首討論といい、比例定数の大幅削減といい、他の政党を排除しようという民主党の「非民主的」体質は根深いと言わなくてはなりません。

民主が党首討論要求、自民は拒否へ

民主が党首討論要求、自民は拒否へ

 総選挙に向けて、民主党が岡田代表と小泉総理との1対1の党首討論を行うよう求めましたが、自民党はほかの政党に対して公平ではないとして拒否する考えです。
 「公開討論会を申し入れますと。アメリカの共和党・民主党の話をイメージしていただければいいと思います」(民主党・藤井裕久代表代行)
 民主党は25日、自民党に対し、小泉総理と岡田代表の討論を28日に2時間行うことを文書で提案しました。
 「じっくり国民の前で議論して、どっちがいいか選んでいただこう、その機会をやっぱり、政治家は作る責任がある、私たちはそう思っています。しかし小泉さんは昨日の段階で、いやいやそれは不公平だからすべての政党が一緒のほうがいいと、こう言われました。皆さん本当にそうですか。今、この国は二大政党ですよ。民主党と今の与党である自民党が、正々堂々議論しあう、皆さんにどっちがいいか選んでいただく、そういう政権選択の選挙のはずです」(民主党・岡田克也代表)
 民主党としては、政権選択の選挙と強調したい狙いがあるとみられますが、自民党の武部幹事長は改めて拒否する考えを示しました。
 「民主党は二大政党による討論といいますが、私たち自由民主党は自らを大政党といったことはありません。民主党が自らを大政党と称するのはいささかおこがましいのではないかと」(自民党・武部勤 幹事長)
(Q.なぜ民主党の提案を請けないのか?)
 「民主党だけじゃないからね、政党は。他の党に失礼でしょう。(Q.総理自身として、岡田党首との1対1の対決、これはやってみたいと思われますか?)まあ、いつもしてますからね、国会でも。テレビ討論でも、各党何人出ても1対1のつもりですよ」(小泉首相)
 ほかの野党からは批判の声もあがっています。
 「二大政党で党首討論をやろう、自民党の代表と民主党の代表とで討論をやろうと、なんで2党だけでやらなくてはならないのか。違いがないからこんな討論何にも面白くない」(共産党・市田忠義 書記局長)
 また岡田代表は25日夜、日本経団連が今回の選挙で自民党を支持する方針を固めたと伝えられていることについて、次のように批判しました。
 「私は非常に首をかしげております。郵政民営化の問題一点だけで判断して、マニフェストは見ないというのは、私は、経団連の今まで言ってきたこととの整合性からいっていかがなものかと」(民主党・岡田克也代表)[2005年8月25日 23:05]

民主党の傲慢体質」への8件のフィードバック

  1. ピンバック: メンフィスからの声

  2. こんにちは。はじめてTBさせていただきました。ご意見と正反対の記事で恐縮ですが・・・・。他のエントリーを読ませて頂いて、同意見が多いのですが。

  3. >memphisさんへ
     もし小泉首相があらゆる党首討論を拒絶しているのなら、「怯懦」の批判もあてはまるでしょうが、実際には、日本記者クラブの党首討論をやると小泉首相も言っているのですから、ちょっと批判は的外れのように思います。
     むしろ他の野党を排除して2党だけの党首討論を求める岡田・民主党の方が、他の野党からの民主党批判を恐れているのではないでしょうか?
     それから、現実問題として、もし1対1で党首討論をやったら民主党の方がボロボロになると思いますよ。なんと言っても、ホンネでは郵政民営化賛成なのに、「政局」がらみで法案に反対した民主党の方が立場がないですから。

  4. ピンバック: M. H. Square.

  5.  本質的にどことであれ1対1の討論を小泉が避けたいのは、郵政民営化を焦点化する手口のボロが出るからです。私は自民・民主だけを特権化することを主張しているのではありません。民主党がボロボロになってもいっこうに構わないではないですか。政治はリアリズムです。主要な敵を見誤る轍を踏むとどうなるかは、「戦前」や70年代「革新」高揚期の教訓から明らかだと思うのですが・・・。
     

  6. >memphisさんへ
    1、自民・民主を特権化することを主張しているわけではないと言いつつ、事実として、自民と民主だけの1対1の党首討論を要求するのは矛盾してませんか?
    2、民主がボロボロになれば、結果として、ボロの出た自民党とボロボロの民主党と、どらちかを選べという話になるだけではありませんか?
    3、消費税増税を主張し、憲法9条を改正して自衛隊の海外での実力行使に道を開こうという民主党は「味方」でしょうか? 味方を見誤ると大変なことになりせんか? 戦前、社会大衆党は中国侵略を支持し、70年代の社会党は公明党を「革新勢力」だと勘違いし、ボロボロになりました。これも教訓だと思うのです。

  7. そうそうのレスをありがとうございます。1.私の主張と民主党の主張を混同されているようですね。2.とちらかを選べは民主党の主張。私の主張は1対1の(実現すれば8×8)の討論。3.その通りですが、なぜそうなったのでしょう。機会があれば討論しましょう。

  8. >memphisさんへ
    1、確かに「全党が1対1で党首討論をすればよい」とも書かれていますが、同時にmemphisさん自身、「現実的に、自民党と民主党が、衆議院で二大勢力になることは確実なのだから、その2党の討論を私たちは求めているのです」とお書きではなかったでしょうか?
    2、私は、ボロの出た自民党とボロボロの民主党でしか選択肢がない、などという事態はごめんです。
    3、これについては、memphisさん御自身のblogで、ぜひ論じていただきたいと思います。

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