米ハリケーン被害、遅れる救援

アメリカのハリケーン被害。どうみたって行政の救援活動の立ち遅れは明らかです。まあ規模が違うという問題はありますが、州兵が出動しても、別に救援活動をやる訳じゃなく、装甲車に乗って銃を構えているだけのようです。軍隊だとはいっても、実際には災害救援で活躍してきた自衛隊と、ホンモノの軍隊ではだいぶ様子が違うみたいですね。

毎日新聞は、「海外には軍を出すのに、ここには出せないのか」という不満が出ていると伝えていますが、もっともな話。

ブッシュ大統領が各国からの支援を歓迎しているというのですから、このさい、自衛隊を災害救援活動に派遣したらどうでしょうか? サマワの水道部隊を回すとか…。さぞかし感謝されるに違いありません。(^^;)

米ハリケーン:「何の助けもない」 政府へ怒り、不満――ニューオーリンズ(毎日新聞)
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貧困率の高い国――日本

日刊ゲンダイが、「日本で確実に進行中 階級社会の恐怖」という記事を載せています。

その中で紹介されている経済開発協力機構(OECD)のリポートは、これ。→“Income Distribution and Poverty in OECD Countries in the Second Half of the 1990s”(Michael Förster and Marco Mira d’Ercole, 18-Feb-2005)(pdfファイルがひらきます)

このリポートでは、国際比較でよく使われる基準、つまり可処分所得の中央値の50%以下の所得しかない人の割合を「貧困率」として、OECD27カ国の数値を計算。OECD平均は10.4%で、日本は15.3%。メキシコ(20.3%)、アメリカ(17.1%)、トルコ(15.9%)、アイルランド(15.4%)に次ぐ第5位。反対に、最も低いのはデンマーク4.3%、チェコ4.3%、スウェーデン5.3%、ルクセンブルク5.5%など。(数値は、1999年もしくは2000年、国によっては2001年などの値の場合もある) 日本は、90年代後半に、貧困率が1.6ポイント拡大したとも指摘されています。OECD全体では平均で0.5ポイント拡大だから、日本は、貧困率が高いだけでなく、貧困率拡大の割合も大きいということです。

OECD貧困化率統計

OECD資料で興味深いのは、年齢別の貧困率も出しているところ。 それを見ると、日本は若年層と高齢者で貧困率がぐっと高くなっています。

ちなみに日刊ゲンダイの記事は、落ちこぼれたくなかったら、親は無理やりでも子どもを勉強させるべきだという結論になっています。教育に熱を入れること自体は悪いことではありませんが、ネオ階級社会をもたらしている小泉「構造改革」そのものをやめさせ、日本の政治の方向を大もとから切り替えることが一番大事だと思います。

日本で確実に進行中 階級社会の恐怖(gendai.net)

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舘野泉さんの手記

ピアニストの舘野泉さんが共産党の「しんぶん赤旗」に手記を連載されています(初回7月28日、毎週木曜日掲載、これまでに6回掲載)。

「輝く音を求めて」というこの手記は、2002年1月に脳溢血で倒れたときに「騒然となった会場の雰囲気は良く覚えている」という話から始まり、意識が戻ったとき、声も出ない、身体も動かない、しかし頭の中では「フランスの作曲家、デオダ・ド・セヴラックの曲」が鳴り続けていたこと、記憶力も打撃を受け、「世の中とは断絶して、ただ自分をどうにか支えていくのに精一杯であった」と、率直に書かれています。

さらに、退院してから2度目にやってきた医師が、興味なさそうに塗り薬を出したのに「はらわたが煮えくりかえって、薬は使いもせず捨ててしまった」という話や、いろいろの人から見舞いをうけ、うれしいと思う半面、「これでピアニストとしての彼の人生も終わりだなと思う気持ちが見えてつらかった」ことまで、かなりあからさまに書かれてもいます。しかし、それが本当に正直な気持ちだったのだろうと思います。8月に地元の音楽祭の最終日に、飛び入り出演でピアノを弾いたこと、そのとき「聴衆は水を打ったように静まりかえり、すすり泣きの声も漏れてきた」こと、そして「人前で弾くのはこれが最後だなと思った」と言う話は、今だからこそそんなこともあったのかと思って読めますが、その時は、聴衆にとっても本当にこれが最後だと思えるつらい出来事だったに違いありません。
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最近買った本

また備忘録的メモです。

  • 角田修一『「資本」の方法とヘーゲル論理学』(大月書店、8月刊、本体3500円)
  • デヴィッド・ハーヴェイ『ニュー・インペリアリズム』(青木書店、6月刊、本体2800円)
  • 河地和子『自信力が学生を変える 大学生意識調査からの提言』(平凡社新書、6月刊、本体760円)
  • 保坂修司『サウジアラビア 変わりゆく石油王国』(岩波新書、8月刊、本体780円)
  • 上村忠男『グラムシ 獄舎の思想』(青土社、8月刊、本体2600円)
  • 森岡孝二『働き過ぎの時代』(岩波新書、8月刊、本体780円)
  • 金関恕・森岡秀人・森下章司・山尾幸久・吉井秀夫『古墳のはじまりを考える』(学生社、6月刊、本体1980円)
  • ベンジャミン・リベット『マインド・タイム 脳と意識の時間』(岩波書店、7月刊、本体2700円)

ということで、まったく何の系統性もまとまりもなし。しかし、これがさし当たり僕が関心を持っているジャンルとテーマ。なんだろうねぇ…。(^^;)