「新しい歴史教科書をつくる会」の中学校教科書の採択率は、歴史教科書が0.43%、公民教科書が0.21%に終わりました。実数で言うと、歴史が77校5080冊、公民が42校2560冊。普通なら、絶対に採算割れです。
ところで「つくる会」は、4年後は地理の教科書もつくると発表。さらに、国語や家庭科もつくりたいと考えているらしい。
地理の教科書って、まさか朝鮮半島や旧「満州」を真っ赤に塗った地図をつくるつもり? あるいは、ごく普通の地理教科書をつくって、まっとうな教科書会社としての認知をえようという作戦か。家庭科教科書は、ジェンダーフリーを目の敵にして、ニッポン男児と大和撫子・良妻賢母の役割を強調する教科書をつくるつもりなんでしょうねぇ。あ〜、うざったい…
「つくる会」教科書、4年後も発行 採択率約0.4%(朝日新聞)
「つくる会」教科書、4年後も発行 採択率約0.4%
来春から使われる中学校教科書の採択が8月末で終わったことを受け、「新しい歴史教科書をつくる会」は2日、記者会見を開いた。歴史教科書の採択率は独自集計で約0.4%とし、「目標にははるかにおよばない結果」などとする声明を発表した。同会は「4年後も挑戦する」といい、歴史・公民に加えて地理も扶桑社版で発行するほか、新たに家庭科や国語など他の教科への進出も検討すると表明した。
正式な採択率については、文部科学省が今月中旬以降に発表する予定。同省によると、4年前の同時期の扶桑社版教科書の採択率は、歴史が0.047%、公民が0.055%だった。
同会は「結果が未公表の教委もある」としつつ、独自集計では、歴史が東京都杉並区などの公立中や私立中計77校5080冊で約0.4%。公民は栃木県大田原市の公立中や都立ろう・養護学校、私立中の計42校2560冊で約0.2%という。
つくる会は、10%の採択率を目標に掲げていた。これを大幅に割り込んだことについて、八木秀次会長は「残念ながら様々な要因があった。しかし、採択の俎上(そじょう)に必ずのぼっており、極めて高く評価されたと考えている」と述べた。
他教科にも進出を検討する理由については、つくる会が主導した教科書の登場で「他社の教科書が改善されたため」と説明した。歴史・公民は4年後も従来通り発行し、社会科以外の教科は別の出版社からの発行を検討しているという。
一方、扶桑社版の教科書の採択に反対してきた「子どもと教科書全国ネット21」などの団体は、今回の採択結果について「市民の良識と民主主義の勝利だ」などとする共同声明を発表し、「つくる会はこの結果を受け止めて運動に幕を引くべきだ」などと述べた。[朝日新聞 2005年09月02日19時52分]