今週の「九条の会」(9月3日まで)

今週の各地の「九条の会」の活動を紹介したニュースを集めました。8月15日を前後した企画が終わったのか、それとも総選挙に突入したためか、ちょっとニュースが少なめです。

暮らしの中で(中) 憲法/衆院選おおいた

 「今の憲法がなければ、日本は再び戦争に巻き込まれていた。平和憲法を守らなくてはならない」
 憲法記念日の5月3日、市民団体「平和憲法を守る会・大分」の発会式が大分市内であった。村山富市元首相をはじめ、県内の医師、主婦ら16人の呼びかけに約180人が加わった。
 「平和憲法を守りたいという市民の意識と、国会で進む改憲論議とのギャップの広がりに危機感があった」。呼びかけ人の一人、大分市の岡村正淳弁護士(60)は、会をつくった理由をそう話す。設立以来、会員は少しずつ増えているという。
 全国レベルでは昨年7月、平和憲法を守ろうと訴える「九条の会」が、作家の大江健三郎さんや哲学者の梅原猛さんら9人の呼びかけで結成された。同会によると、それ以降、各地でつくられた「九条の会」は約3千。県内でも17団体が発足したという。
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 護憲派市民の活動の広がりは、着々と進む改憲への動きの裏返しでもある。
 自民党は8月、自衛隊を「自衛軍」と改め、海外派遣も認めるなどとした改正憲法の1次案を発表した。11月には新憲法草案の公表を予定している。今回のマニフェストで「自らの『憲法提言』を国民に示す」とした民主党にも、将来の改憲や集団的自衛権の行使の必要性を明言する候補者は少なくない。明確に護憲の立場を示すのは共産、社民両党だけだ。
 「二大政党」の自民、民主両党はその「結論」を出す時期を明示していないが、この衆院選で選ばれる議員たちに憲法の行方が委ねられる可能性もある。
 にもかかわらず、選挙戦は憲法問題が主要な争点にならないまま進んでいる。「意図的に争点から外す戦術をとっているのではないか」。岡村さんは、不信感を隠さない。
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 「平和憲法を守る会・大分」の発会式は立ち見も出る盛況で、事前の講演会も含めて約500人が詰めかけた。
 同会には共産、社民の支援者だけでなく、自民や民主の支持者も加わっているという。「国民投票になったときのために、支持政党を問わず平和憲法を守りたいという共感を広げておきたい」。それが会員共通の目標だ。
 改憲の国民投票は、衆参両院で3分の2以上の賛成で現実のものとなる。岡村さんは語る。「憲法は日中、日韓関係やイラク情勢、年金や税金など暮らしと深くかかわる。有権者はそれを意識してほしい」
[朝日新聞:マイタウン大分 2005/09/03]

憲法の大切さ訴え 上京の市民グループが冊子作成

九条の会・上京ネットが手作した冊子
 京都市上京区の市民グループ「九条の会・上京ネット」が今夏、憲法の大切さを訴える冊子「平和がいい一から学ぶ憲法・平和」を作った。執筆や編集に携わったメンバーたちは「改憲論議のなかで、改めて平和や憲法について考える手がかりになれば」と話している。
 上京ネットは昨年8月6日、地元の寺院で開かれた「平和の鐘をつく会」に集まった住民らが「平和のために自分たちに出来ることをしよう」と同9月に結成した。毎月25日、北野天満宮近くで憲法前文をアピールしたり、平和かるたを作ったりの活動をしている。
 冊子は、憲法の意義をより分かりやすく伝える目的で今年5月、編集を始めた。原稿を持ち寄り、10回ほど話し合いを重ねてA5判、23ページにまとめた。
 タイトルにはメンバーの率直な思いを込めた。内容は主に対話形式で、九条が世界的に注目されていることを紹介したほか、自衛隊の海外派遣や弱者切り捨てにつながる「勝ち組・負け組」の世相についても問いかけている。2000部作り、1部200円で販売する。問い合わせは同ネットの岸尾さんへ。[京都新聞 2005/08/31]

埼玉・小川町にも「九条の会」設立

 埼玉の人口3万6000人余りの小川町に『おがわ町九条会』が結成された。
 小川町では今まで税理士の西田一雄さんを始め、増田幸次(前町長)、松本栄二(上智大名誉教授)、長尾邦弘(牧師)さんなどを中心に、「呼びかけ人会議」や「準備会」を重ねてきたが、8月28日(日)小川町民会館に123人が集い、結成総会が開かれ「おがわ町九条の会」が正式に発足した。
 1部は経過報告や財政報告に続き、会則(おがわ町九条の会の約束)の承認と役員選出の後、下記の「総会アピール」を女子高生が朗読し「運動方針案」と共に承認された。
 休憩後の第2部は、イラク支援ボランティアの高遠菜穂子さんの「命に国境はない」と題した記念講演があった。
 会場に写真やDVDを映写し高遠さんの解説で、腐敗した遺体の映像など生々しい映像を交え、イラクの現状や今までの経過が報告された。「検問所」で多くの犠牲者が出ていることや、乗用車やタクシー、救急車の区別もなく低空ヘリから狙われ、病院も攻撃の的になったことなどを証言した。

             「活動方針」

1.憲法9条改悪が仮に国民投票にかけられる事態になったとしても小川町の有権者の過半数が「改憲ノー」と言える状態を作り出すために「出来る限りの努力を尽くす」ことを中心に据えます。
2.「国民投票法」などの動きを注視しながら、活動を進めます。
3.会の当面の主点活動を「知り、知らせる」ことにおきます。
 イ 「憲法を読む会」を続けます。
 ロ 次のような内容の講演会を予定します.何れも弁護士等専門家に依頼します。
   10月末  「憲法問題を巡る情勢をどう考えるか」
   12月中旬 「憲法改悪の論点を考える」
 以後3ケ月に1度程度「憲法と福祉」「憲法と教育」「憲法と税・財政」「憲法と文化」「時局講演」などの講演や「戦争体験を語り合う」会・映画鑑賞などを企画して開催します。
 ハ 中学校区単位くらいの小集金が開けるよう、そうした単位で憲法問題が話し合えるよう工夫します。
 ニ 会員向けニュースの発行を続けます。
 ホ ポスターを町中に張りめぐらせることを考えます。
4.「会」会員を増やし、これからの1年で会員を1000名以上にします。
 イ 「会」行事へ参加働きかけ等を通じ、会員を増やす努力を重ね、早期に1000人の会にします。
 口 「会ニュース」が手配りできるよう、中学校区単位の活動単位を組織面でも工夫します。

           『結成総会アピール』

 小川町に住み・働き・学ぶすべての皆さん
 日本国憲法を「改正」の名のもとに作り変えようとする動きが盛んです。ヒロシマ、ナガサキの原爆にいたる残虐な兵器によって5千万を超える命を奪った第二次世界大戦。小川町に住む私たちのまわりにも数多くの犠牲者とその家族がいます。この戦争から、世界の市民は、国際紛争の解決のためであっても、武力を使うことを選択肢にすべきでないという教訓を導き出しました。
 この戦争に多大な責任を負った日本は、戦争の放棄と戦力を持たないことを規定した第9条を含む憲法を制定し世界の市民の意思を実現しようと決心したのでした。それは珠玉のことく輝く平和主義であり、日本国民の誇りでもあります。しかし、戦争を放棄し戦力を持たないとした憲法9集があるにもかかわらす、日本にはすでに世界第1級の戦力をもつ自衛隊という軍隊が存在し、インド洋やイラクにまで出かけて、直接戦闘をしないだけで、事実上アメリカ軍の戦争に参加しています。
 その上に今、9条を焦点とした「憲法改正」論議がかつてない規模と強さで台頭してきています。なぜでしょう。これまでの流れからみれば、そのめざすところはアメリカに従って「戦争できる国」=「戦争することができる国」に変えるところにあるのは明らかです。
 このような意味をもつ「改憲」の動きは、歴史の教訓と世界に興りつつある平和への努力の流れに反する危険なものであると指摘せざるを得ません。このような時、大江健三郎氏や澤地久枝、三木睦子さんなどわが国の良識を代表する9人の方々が昨年6月、「九条の会」を結成しアピールを発しました。
 小川町の皆さん
 私たちは、このアピールに応え小川町にも「九条の会」を結成しよう、と今年2月呼びかけ人会議を開きました。数回にわたる準備を重ね、勉強会も持ちました。私たちは一人の人間として考え、責任を持って行動し、日本と世界の平和な子々孫々の未来のために、「憲法9条を守る」という一点で手をつなぎ「改憲」のくわだてを阻むため、出来るあらゆる努力を、今すぐ始める必要がある、ことを確認しました。
 小川町に住み・働き・学ぶすべての皆さん
 憲法9条を愛する人は、世論調査でも60%を超えています。しかし手をこまねいていて護れるほど簡単ではなくなっています。声を拳けましょう「九条改憲反対」の声を。この小川町から。
 私たちは戦争放棄をうたい、平和を求め、生命を守る憲法9条を全力を挙げて謙り、人類のために生かして行こうと思います。皆さんと肩を組み手を結びながら……

2005年 8月 28日
おがわ町九条の金 結成総会

(宮澤正造) [JANJAN 2005/08/31]

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