佐々木潤之介『江戸時代論』 途中経過報告

先日いただいた佐々木潤之介先生の『江戸時代論』(吉川弘文館、9月10日刊)ですが、行き帰りの電車の中で一生懸命読んでいます。

まだ第1部「社会史的江戸時代史」を読み終えて、第2部「日本・朝鮮・中国」に入ったところですが、ここまで読んでみて、先生がこの本で論じようとしたことが、スケールが大きくて、非常に今日的な問題であることが分かってきて、ますます引き込まれています。

なぜ明治維新が「王政復古」の形をとらなければならなかったのか? なぜ日本の幕末には、中国の太平天国の乱や朝鮮の甲午農民戦争(いわゆる東学党の乱)のような「民乱」が生じなかったのか? それを兵農分離、幕藩制国家の特質として考えようというのです。ほんとにこんなに風呂敷を広げちゃって大丈夫?と心配になるほどですが…。

何とか原稿を仕上げる

締め切り2日前にして、ようやく担当の原稿を書き上げることができました。(^^;) 「自民党新憲法第1次案」の主なねらいを紹介しつつ批判する原稿です。

1つめの論点は9条の全面改悪。ここは、「戦争の放棄」も「戦力保持の禁止」「交戦権の否定」も全部削ってしまって、「自衛軍を保持」すると明記しようというのですから、書くべきことは明白です。ただ、それだけだと「九条を変えるのはけしからん」だけになってしまうので、集団的自衛権の行使を求めるアメリカの要求が改憲策動の出発点にあることや財界のねらいなどを押さえながら、論じてみました。
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台風14号、諫早付近に上陸

台風14号(9月6日15時0分)

台風14号は、2時過ぎに長崎県諫早市付近に上陸。すでに宮崎県では、降り始めからの総雨量が1300ミリを超えたそうです。すでに年間総雨量に匹敵する雨。被害が広がらないか、心配です。

台風14号は長崎・諫早市付近に上陸、全域が暴風域(読売新聞)
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防衛庁、ハリケーン災害で自衛隊派遣の用意ありと米に伝達

防衛庁は意気込んで伝達したものの、アメリカからはまだ要請はないそうです。まあ、ず〜〜〜っと待ってても、要請はないでしょうが…。

自衛隊の災害派遣より、大型排水ポンプでも送った方がずっと喜ばれるでしょうねぇ。

<防衛次官>米ハリケーン災害で自衛隊を派遣の用意(毎日新聞)
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ホントは少ない日本の公務員

小泉首相は、郵政民営化で公務員を減らして「小さな政府」をつくる、と叫んでいますが、実は、日本の公務員というのは、主要国のなかでもずばぬけて少ないのです。

公務員数と人件費の国際比較(総務省調べ)
職員数(人口1000人当たり) 人件費(GDP比)
日本 35.1人 6.6%
イギリス 73.0人 7.6%
フランス 96.3人 13.7%
アメリカ 80.6人 10.1%
ドイツ 58.4人 7.9%

職員数には、国・地方、政府企業、軍人・国防職員が含まれます。日本の公務員数は、アメリカ、イギリスの半分以下、フランスの約3分の1です。人件費も、アメリカの3分の2、フランスの半分。公務員の数を減らせば「小さな政府」ができるというのであれば、日本はすでに十分「小さな政府」だといえます。

このように日本の公務員が少ないのは、日本が本格的な軍隊をもっていないからであることは明らかでしょう。自衛官25.2万人、防衛庁2.4万人、合わせて27.6万人というのは、日本の国家公務員61.5万人のうちで一番多いものですが、それでも本格的な軍隊には比べようもありません。憲法9条は、「小さな国」づくりにも役だっているのです。

もちろん、現実には、公立学校での30人学級の実現や、地震など大規模災害のときのための消防署職員の充足(現在は、基準にたいし6万人の不足)、サービス残業や下請けいじめを摘発するための労働基準監督官(現在は、全国でたった2859人)や下請け代金検査官(同じく専任はわずか46人)の増員など、やるべきことはいっぱいあります。また、郵便局は公社になる前も後も、独立採算で人件費には1円の税金も使われていないのだから、郵政民営化すれば税金が節約できるかのような首相の言い分は真っ赤なウソ。

公務員が少なければ少ないほどいい、なんていう議論は、まったくデタラメです。

※関連エントリー
「ホントは重い日本の消費税」
「ホントは軽い日本の企業負担」