新聞記事から、有権者がなぜ自民党に投票したか、あるいは選挙結果を見てどう思っているかなどに関連する記事を拾ってみました。

●「毎日新聞」9月13日付第2社会面

首都圏4都県で、比例代表で自民党に投票した100人に、自民党のイメージをアンケート。「革新と保守」では全体で53人が「革新」を選択。とくに若い世代で自民党は「革新」というイメージがあることが分かる。但し、この調査は、自民党に投票した人限定、ということをお忘れなく。

• これまでの自民党のイメージはなくなった。（32歳・男性）
• 完全な革新ではないが、革新に向けて動いている感じがする。（23歳・女性）
• 今回は『郵政改革を国民に問う』と言って解散した。自民党というより小泉さんに投票した。（36歳男性）
• 本当は泥臭い政党なのだろうけど、今は都会的に見える。（63歳男性）
• 昔は農村型だったが、都市型政党に変わりつつあるように感じる。（55歳男性）
• （小泉さんに）信念を曲げない強い意志を感じた。（28歳女性）

「小泉首相のどんな言葉に感動したか」では、「公務員の削減を訴える言葉」「殺されてもいいという決意表明」などのうちから、68人が「郵政改革が改革の第一歩」を選んだ、という。「自民党への投票をいつ決めたか」の質問では、解散時53人、公示以降が28人となっています。

●「東京新聞」9月13日付「こちら特報部」

若者の声を紹介。

• 「小泉さんがいいと思ったのは、おれは死んでもいいと言ったこと。格好いいなと思った。命がけでやっているというのが顔から伝わってきた。だから入れた」。郵政民営化は賛成だが中身はよく分らない。（女性22歳、飲食店店員）
• 「ネットでみんなが自民党を支持していた。何となく行かなきゃと思って」（目黒区・男性、25歳）
• 政治には全く興味ないが、両親に誘われて仕方なく選挙に行った。「亀井さんとか自民党のなかの悪いのを敵にしてやったんでしょ、今回は。そういうのをズバッと切ったんでしょ。なんかくーるというか格好いいじゃない」（大田区・コンビニ店員21歳）
• 「手法は強引でも、やっぱり小泉さんの方がリーダーとして頼りがいがある」（さいたま市の大学生20歳）。
• 「小泉流は気に入らないことがあるとちゃぶ台をひっくり返すような横暴な手法で支持できない」（練馬区・大学生）=民主党支持

いちおう記事では、自民党に投票したと明言したのは、さいたま市の学生だけ。練馬区の学生のコメントに続けて、「きちんと意見を話す若者のほとんどが野党の支持者だ」と書いています。

●毎日新聞9月12日夕刊

• 自民圧勝は、郵政民営化が進むので歓迎したい。民主党からは、小泉首相の改革になぜ反対なのか、政策の違いは何なのか、具体的に伝わってこなかった。（京都の大学生・23歳女性）
• 小泉さんの郵政民営化一本に絞った訴えは分かりやすかった。「次もまた何かしてくれるのでは」と期待が持てた。（宮城県・56歳公務員男性）
• 予想以上の自民大勝だが、民主主義社会で行われた正当な選挙だから先行きに不安はない。（札幌・55歳女性会社員）
• 自民党が強かったというよりは、他の政党が弱かった。（福岡市・30歳会社員男性）

●「日経」9月12日付夕刊

• 郵政民営化はあらゆる改革のきっかけ。郵政を機に様々な分野で本当の意味での官から民への転換を図らねばならない。（東京・60歳男性会社員）
• 電話一本で宅配物を取りに来てくれる民間の宅配会社のサービスを、郵便局も民営化でとりいれてほしい。（神奈川・男性会社員53歳）
• 郵便局は民営化してもっと効率を上げるべきだと自民党に投票。但し、「今後、自民党が独善的になるかも知れないので少し不安」（さいたま市・女性会社員27歳）。
• 民主党に投票。「郵政民営化後、税制問題などでも改革ができるのか。自民党の改革路線には期待していない」。（横浜市・43歳男性会社員）
• 「小泉さんの進める改革は社会全体で見れば正しいと思うが、弱者に厳しい世の中になるのはごめん」。小選挙区は自民、比例は民主。中野区・男性無職51歳。
• 景気を回復させてくれると思った。（新宿区・無職男性61歳）
• 郵便局の窓口で客が2人しかいないのに1時間近く待たされた経験から、郵政民営化の必要性を感じた。「民営化が実行されて郵便局のサービスがよくなる」（神奈川県・大学院生・男性・24歳）
• 金融論の授業で郵政改革が必要と思った。「どんな法案でも通る状態が不安だが、選挙前と同じでは何も変わったことにならないので期待している。」（港区・男子大学生23歳）
• 大衆受けすれば選挙に勝てるんだなあ（狛江市・男子大学生23歳）＝小選挙区・比例とも民主に投票

郵便局の窓口対応が悪かったという経験や、大学の授業を真に受けて、郵政民営化に賛成だといって自民党に投票してしまう大学院生や大学生がいるのには、呆れてしまうなぁ…。