普天間移転先、迷走…

米軍普天間基地の移転は、もともと、1996年に日米で合意したSACO(日米特別行動委員会)最終報告では、辺野古沖に海上基地を建設して5?7年で(つまり2001?2003年までに)移転することになっていました。しかし、現地の住民たちの徹底した反対運動のため、いまだに建設のメドさえたっていません。そこで、この計画を変更し、別のところに移転させようという計画が持ち上がっていました。

キャンプ・シュワブ内に代替施設を作る「地上案」と、同じ辺野古沖でもより岸に近いリーフ内に規模を縮小して建設する「リーフ案」と、2つの案が浮んでいますが、その代替計画が早くも迷走しています。地元の名護市長は「リーフ案」なら受け入れられると言っていますが、政府は「地上案」でいくつもり。ところが、米軍はすでに「陸上案」拒否を日本政府に通告したそうです。

さて、小泉首相は、この問題をいったいどう解決するつもりでしょう?

米、シュワブ案を拒否 普天間移設で国防総省高官が言明(朝日新聞)
普天間移設先「シュワブ陸上」案、政府が最終確認(読売新聞)
縮小案に否定的 普天間移設、知事が見解(琉球新報)
普天間移設、名護市長が「リーフ案」支持(読売新聞)
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李禹煥「余白の芸術」(横浜美術館)

李禹煥「余白の芸術」(横浜美術館)

雨の中、横浜美術館の李禹煥「余白の芸術」展を見てきました。

李禹煥(リ・ウファン)の作品を見るのは初めて。1936年、韓国慶尚南道生まれ。1956年に来日、日本を拠点に創作活動をおこなってきた現代アーティストです。今回は、回顧展ではなく、最近の作品を中心に構成ということで、展示は、チケットにもなっているような、薄いクリーム色のカンバスにグレーの点(というかスクウェア)を書き入れたような作品(いちおう絵画だそうです)と、石と鉄板などによって構成された造形、の2種類です。

作品「照応」

絵画の方は、カンバスの大部分は圧倒的に「余白」で構成されています。グレーの点は、一方は白に近く、微妙なグラデーションになってますが、近寄って見ると、筆の跡やカスレ、顔料の盛り上がりなどがあって、不思議な力強さがあります。

厚さ3センチほどの鉄板と、その前におかれた石の組み合わせ。石が自然を、鉄板が人工を表しているとのこと。石は、形や色はいろいろでも、自然のまま置かれているのにたいし、鉄板は、重ねられていたり、熔接されていたり、すこし曲げられていたりして、微妙に加工されていて、その2つが不思議な距離感と緊張感をもって組み合わされています。たぶん、これらはシンメトリーになるような位置から見るようになっているのでしょうが、床に置かれているだけなので、その周りをぐるぐる自由に歩き回って好きなポジションから眺められます。

作品「関係項――ダイアローグ」

そういえば、横浜美術館の展示室の床は、コンクリー剥き出しになっていて、それも含めて、石と鉄板の質感が伝わってきました。最後に、ビデオが上映されていて、今回の作品の展示準備の様子も紹介されていました。横浜市内の鉄工所で鉄板を加工し、クレーンで運び込んで据えつけて、会場で熔接していたのは、ちょっと驚き。その様子こそ見たかったですねぇ。

それから、美術館の前にも、石と鉄板からなる造形が3点、展示されていました(あんまり見ている人はいなかったけど)。その1つに、「6者協議」という作品がありました。もちろん、あの「6カ国協議」のことだと思われますが、もう1つと「鉄の壁」という作品(鉄板で作られた高さ3メートルほどの壁の周りに石が置かれているほか、石が2つ、壁のうえにも置かれています)ともども、いまの朝鮮半島情勢に向き合う作者の気持ちを見たように思いました。

屋外の展示3作品については、こちらのブログで写真を見ることができます。
はろるど・わーど:李禹煥 「関係項」(3種) 横浜美術館「余白の芸術」にて

※チケット以外の画像は、横浜美術館のホームページより(過去の展示会での作品を撮影したもののようです)。

「前回民主に投票」の3分の1が今回は自民に投票

読売新聞のネット世論調査。前回総選挙あるいは前回参院選で民主党に投票した人の34%が今回は自民党に投票。

ま、もともと民主党は浮動層の支持が大きいからね。「支持政党なし」層のなかでも自民党が多数を占めているとの出口調査から、当然、予想された結果。

衆院選で「前回民主」、34%が自民に…ネット調査(読売新聞)
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彼もウソをついた

ワシントンポストなど全米15紙に、ブッシュ大統領などの写真に「彼らがウソをついた」という大見出しをつけた見開き2ページの広告が掲載されました。

そういえば、日本でも、イラク戦争直前に、これは「『全世界対大量破壊兵器を持っているイラク』の問題であることを忘れてはいけないと思います」と言った総理大臣がいましたなぁ…。彼もウソをついたのです。

<イラク反戦広告>全米15紙に掲載「彼らがウソついた」(毎日新聞)
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佐川急便、「偽装請負」で厚労省から指導受ける

佐川急便が、労働者派遣法違反の「偽装請負」で厚労省から指導を受けていました。取引業者に集配業務をやらせるときに、業務委託の形をとって従業員を出させておきながら、実際には、佐川急便が、それら従業員に直接指揮・命令を出していたということです。

業務請負の場合は、業務を一括して請け負わせているのだから、従業員にどういうふうに仕事をさせるかは、請負元の業者が決定し従業員に指示します。佐川急便が直接従業員に指示を出してはいけないのです。で、佐川急便の側で指示を出して、その指示に従って働かせたい場合は、労働者派遣を受けなければなりません。

派遣の場合は、佐川急便の側に従業員の労働時間の管理義務や労災防止の責任が生じます。しかし、業務請負にすれば、従業員と雇用関係にないので、労災が起きても保障する必要もないし、労働時間を管理する義務もありません。そこで、業務請負の形をとっておきながら、実際には、現場で直接業務上の指示を出すなどということが横行するわけです。これが「偽装請負」といわれるものです。

「下請け」実は「派遣」、佐川急便が偽装請負(読売新聞)

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4年間のフリーハンド

勝てるかどうか確信がなかったと言ってますが、実際には、絶対に何か根拠になるデータがあったと思いますねぇ。7月の頭には解散を決めたようですが、あのころは、内閣支持率は下がってたんだから。

「4年間は解散ない」 小泉首相、与党幹部との会合で(朝日新聞)
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