共同通信が、外部識者による「報道と読者」委員会の会議内容にかんする記事を流しています。テーマは、自民党が大勝した総選挙報道について。
配信記事では、同志社大学の浜矩子教授と、弁護士の梓澤和幸氏の発言を紹介していますが、小泉首相の「(キャッチフレーズによる)問題すり替えに加担してほしくない」「末端にいる人の塗炭の苦しみが紙面に出ていない」など、メディアの役割という基本に関わる重要な提起だと思います。
隠された争点えぐり出せ 衆院選で「報道と読者」委(共同通信)
隠された争点えぐり出せ 衆院選で「報道と読者」委
共同通信社は1日、外部識者による第三者機関「報道と読者」委員会の第21回会議を東京・東新橋の本社で開き、自民党が大勝した総選挙報道について議論した。
同志社大教授の浜矩子氏は、郵政民営化が最大争点となり憲法論議などが不十分だったことを念頭に「隠された争点、もみ消された争点をえぐり出せなかったか」と指摘。「小泉純一郎首相は言葉を独り歩きさせるのが上手だが、言葉はメディアが作るものだ。(キャッチフレーズによる)問題のすり替えに加担してほしくない」と述べ、首相サイドのメディア戦略に対抗する必要性を指摘した。
弁護士の梓澤和幸氏は「アジェンダ(課題、争点)設定に対してメディアは責任がある」と強調した上で、「末端にいる人の塗炭の苦しみが紙面に出ていない。記者が現場に入っていないからだ。ペーパーの分析では出てこない現実から政治を見ることが期待されている」と警鐘を鳴らした。(了)[2005年10月01日18時10分]