横浜事件の再審が始まりました。
横浜事件というのは、戦時下の弾圧事件です。永原慶二監修『岩波 日本史辞典』では、次のように説明されています。
横浜事件 戦時下の言論思想弾圧事件。総合雑誌「改造」1942年8・9月号に掲載された「世界史の動向と日本」が共産主義に基づく敗北主義であるとして、執筆者の細川嘉六が検挙され、また、世界経済調査会の川田寿はアメリカ共産党と関係があるとして検挙された。これらに端を発し、神奈川県特高警察は、富山県泊町での細川の出版記念会を、日本共産党再建のための懐疑とでっち上げ、編集者・文化人ら総勢60数名を検挙し拷問を加え、4名が獄中で死亡。また、中央公論社と改造社には、情報局から解散命令が出され、言論が強圧的に封殺された。(『岩波 日本史辞典』1999年から)
しかも驚くべきことに、横浜事件で、治安維持法違反で有罪の判決は、敗戦直後の1945年8月から9月にかけて下されたのです。