横浜事件、再審始まる

横浜事件の再審が始まりました。

横浜事件というのは、戦時下の弾圧事件です。永原慶二監修『岩波 日本史辞典』では、次のように説明されています。

 横浜事件 戦時下の言論思想弾圧事件。総合雑誌「改造」1942年8・9月号に掲載された「世界史の動向と日本」が共産主義に基づく敗北主義であるとして、執筆者の細川嘉六が検挙され、また、世界経済調査会の川田寿はアメリカ共産党と関係があるとして検挙された。これらに端を発し、神奈川県特高警察は、富山県泊町での細川の出版記念会を、日本共産党再建のための懐疑とでっち上げ、編集者・文化人ら総勢60数名を検挙し拷問を加え、4名が獄中で死亡。また、中央公論社と改造社には、情報局から解散命令が出され、言論が強圧的に封殺された。(『岩波 日本史辞典』1999年から)

しかも驚くべきことに、横浜事件で、治安維持法違反で有罪の判決は、敗戦直後の1945年8月から9月にかけて下されたのです。

「横浜事件」再審始まる 弁護側は無罪主張(東京新聞)
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「国家」をめぐる対立

今日の「毎日新聞」夕刊の文化欄「想像力のゆくえ」の第2回で、仲正昌樹・金沢大教授が、こんなことを書かれています「『国家』はやがて意味を失うのか?」)。

 結果的に、再配分重視のリベラル左派と共同体主義的な旧保守の双方が、グローバル化の荒波から「国民」を守るための楯として「国家」による規制を強化する方向で合流しつつあるのに対し、新自由主義とポストモダン系左翼がそれぞれ正反対のゴールをめざしながらも、「国家」による「国民」の抱え込みを止めて“自然な流れ”に委ねるべきことを主張するという変則的な構図が生まれている。自国民に特化した再配分機能を備えている国民国家の本質が再認識されたことによって、冷戦時代には固定化した左/右の境界線が変動してる。(「毎日新聞」2005年10月17日付夕刊)

氏の結論(「天皇制に象徴される『何となく日本的なもの』にこのまま安住し続けるわけにはいかないだろう」、「自分たちで自覚的に選択した憲法的価値へのコミットメントを基盤とする憲法愛国主義(ハーバーマス)的な政治文化への転換が求められている」)に限って言えば、そんなに異論はありません。

しかし、上記引用部分についていえば、日本にかんしては、そう簡単に「左/右」の境界線はゆらいでいないのではないでしょうか。

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小泉首相、今日、またまた靖国神社へ

NHKが、小泉首相が今日靖国神社に参拝するとニュースを流しています。

小泉首相 17日に靖国参拝へ(NHKニュース)

小泉首相 17日に靖国参拝へ
小泉総理大臣は17日午前、東京・九段の靖国神社を参拝することになりました。(10/17 07:58)

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映画2本見てきました

そして、ひと粒のひかり

最近、すっかりご無沙汰していたので、今日は、午後から渋谷で映画を2本続けて見てきました。

1本目は、昨日公開されたばかりの米・コロンビア合作映画。コロンビアの田舎町に住むマリア(カタリーナ・サンディノ・モレノ)は、都会にあこがれ、偶然知り合った男の紹介で麻薬の運び屋をやることに。小分けにパックされた麻薬を胃の中に飲み込んで、ニューヨークまで運べば、5000ドル貰える。同じ運び屋をやっているルーシーと知り合い、パックを飲み込むコツを教えてもらう。友だちのブランカともう1人の運び屋が加わって、4人が同じ飛行機でアメリカへ。しかし、税関で1人は捕まり、マリアも取り調べを受ける。しかし、妊娠中のマリアにはレントゲン検査ができず、何とか税関を通過できた。しかし、ここでパックを出せと連れて行かれたホテルで、ルーシーに異変が……。マリアはブランカをつれて、ホテルを逃げ出す……。

ということで、テーマは相当に重い作品です。

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