沖縄普天間基地の移設先として日米が合意した地元名護市議会が、キャンプ・シュワブ沿岸案反対の決議を可決。
辺野古沿岸案に反対 名護市議会が可決
【名護】名護市議会(宮城義房議長)は21日午前、臨時議会を開き、普天間飛行場の移設先として日米が合意した名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沿岸案に反対する意見書、決議両案を賛成多数で可決した。この決議で、移設先である名護市の議会、首長、周辺区、漁協などの反対が出そろい、日米両政府に地域ぐるみの反対を突きつけることになる。ただ、反対したのは「日米が合意した案」に限定され、同案が変更された場合の判断には余地を残した。同日午後、議会代表が那覇防衛施設局、在沖米国総領事などに出向き、決議文を手渡す。
名護市議会は1999年、普天間飛行場の「辺野古沿岸域への移設整備促進決議」を賛成多数で可決し、これを受けて岸本建男市長が普天間飛行場の受け入れを正式表明した経緯がある。その後、同議会が辺野古移設に否定的な決議をするのは今回が初めて。17日に開かれた軍事基地等対策特別委員会(照屋全哲委員長)で決議され、上程された。
意見書は、合意された沿岸案は現行計画よりも「久志地域に近く、滑走路の延長線上に民間地域が位置し、久志地域、大浦湾周辺地域に騒音など住民生活への影響が懸念される」「周辺地域から反対の意思が示されている」などの理由で「強く反対を表明する」としている。
中南部の基地の北部集約については「(北部集約が)懸念されることに憤りを禁じ得ない」と記述するにとどまり、明確な反対表明を見送った。
議場で我喜屋宗重議員が「仕事欲しさに別案に持っていこうとする流れに乗るものだ。これでは国防の議論はできない」と議案への反対討論に立った。議案に賛成する立場から比嘉祐一議員は「地元に反対意見があり、このままでは絶対にいけない。その観点から意見書の内容は妥当だと思う」と述べ、これに対し宮城康博議員は「『今のままでは』という前提は内容が変われば受け入れの余地があるということだ。名護では検討され尽くした。いかなる案も駄目」と反対意見を述べた。(琉球新報 11/21 15:11)